第7話 邪神の意地悪

「ん〜今交換可能なのはこれだけか〜私は杖がなくても魔法使えるけど、スイはそういうわけにいかないじゃん?だから、先にスイの刀で雷属性強化の刀にしよう!」

「いいのか?」

「いいよ!次にDPに余裕が出るまではスイが守ってくれるでしょ?それに、鬼人の身体能力に、邪神様とのあれこれでスイは魔法も普通に使えるし、それが魔王になって強化されてるから、この辺の村の人がやってくるくらいなら何人相手しても大丈夫でしょ。」

「た、確かにそう聞くと、今の俺やばいな。それに、この世界だと刀を命を奪う武器として使うんだし、殺傷力すごいことになってるな…

じゃあ、数日分の食料だけDP交換して、500DP溜まるまで魔法の試し撃ちとか、新しい体の試運転とか、睡眠とって、明日に備えようか。」

「りょうかい!あ〜明日は人がくるにかな〜?」

「ん〜すぐ見つかるわけでもないだろうけど、じきに見つかるだろうね。まあ、最下層まで来れる人はもっと大きな都市にしかいないだろうし、そんな人が来る前にレベル上げないとな。ま、とりあえず少し体動かしてくる。」

「りょ〜」



これは、やばいな。ヒナも言っていたが、ここまでとは。身体能力はオリンピック選手どころか、元の世界の人間の限界を超えている。それに【身体強化】や【精神集中】も使えばもう、人ではない。まあ、鬼人なんだし、当たり前といえば当たり前だが、すごいことになっている。あと、密かに楽しみにしていた【雷魔法】はあたりだった。せっかく異世界にきたから魔法が使いたいってのと、雷ってかっこいいよね!ってので取ったが、【雷魔法Ⅰ】で使えた『サンダー』は雷というだけあってその速度により相手に当たりやすく、当たれば確率で相手の行動を阻害する【スタン】状態になることがわかったのだ。俺の戦闘スタイルは剣でなく刀を使うのでわかるかもしれないが、パワーではなくスピードを、技術を重視するタイプだ。よって、ほんの少し相手の動きが止まれば、十分すぎる好きになる。これは、明日が楽しみになってきたな。


「ヒナ〜こっちは良さげ。そっちはどう?」

「あ、スイ!見てよ、これ!魔法試し終わって、暇だったからDP交換カタログ見てたんだけど、これ!」


・異世界の常識 必要DP 1


「交換できるものの中にはほんとにいらないものとか、いつになったらこうかんできるの?ってものもたくさんあってんだけど、それに混ざってたの!」

「なるほど。確かに、あの邪神様は性格が邪神なだけあって終わっているが、一応スキルを自由に取らせたり、思考誘導に気付けばご褒美がもらえたり、性格が悪いなりに結構救済措置がどこかに散りばめられているんだろうな。それにしても今回は特にひどいな。普通に考えればこれが混ざっている付近のものが交換できる頃にはこんなものは不必要になってるってのが、いやらしいな。」

「ほんとそれだよ。多分、一番欲しい時には見つけられず、いらなくなると見つかるようになってて、性格悪すぎるよ。」

「でも、ほんとにファインプレーだよ、ヒナ!早速読んでおこう!」


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