4日目 自室にて
目の前を、埃の粒がきらきらと舞っている。
時計の音も聞こえない静まり返った部屋で、男は昨日出会った女のことを考えていた。
「はあ〜、、なんだ期待して損した」
そう言って女は立ち去った。
ガラクタの入ったリュックサックはよほど重かったのか、女の立っていた地面には足跡がくっきりと残っていた。
引き止めようとは思ったのだ。
しかし女が再び川の中を通ったものだから男は伸ばしかけていた手をおろした。
自分の呼吸音だけが聞こえる。
浅く、短い呼吸音。
男はバケツにためた水を、喉を鳴らしながら豪快に飲み干す。
温度のない液体が体の中の熱をほぐしていく。
昨日よりも喉が熱かった。
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