8
僕が杏だけでなく瑞樹とも関係を結び、壬生さんと模試で競うことが決まったあの日から、既に10日以上が経過していた。
季節は8月に入り、本格的な暑さが到来している。
あの日以降、僕の生活はすっかり爛れてしまった。
なにしろ毎日エッチしないと杏と瑞樹が寝取られてしまうのだ。親には受験勉強のためと言い訳をしてほぼ毎日といっていいほど杏の自宅に泊まり、杏だけでなく瑞樹ともエッチをしていた。
もちろん、エッチだけでは終われない。僕には模試で壬生さんより高い点数を取らないといけないという使命がある。
そのため、夜と朝は杏と瑞樹とエッチをしつつ、昼は壬生さんと図書館で勉強をするという毎日を送っていた。
確かに杏と瑞樹に割く時間が増えたが、決して壬生さんと会う時間が減ったということはない。むしろ壬生さんもたまに杏の自宅に来て、僕たちのエッチを見学してたぐらいなので、どちらかといえば一緒にいる時間は増えたかもしれない。
もはや僕のプライベートなど存在しない。僕は彼女たちのために一心不乱に頭と体を動かしていた。
ただ充実しているという意味では、この上なく充実した毎日ではあった。
なにしろ校内でもトップクラスの美少女二人とエッチができるのだ。楽しいに決まっている。確かに異常な状況かもしれないが、なってしまったものはしょうがない。僕は存分にこの状況を楽しむことにした。
壬生さんは僕にとって大事で、最愛の彼女だ。でも瑞樹と杏も同様に僕にとって大事な彼女となりつつあった。
それだけに、たまに期待してしまう。この二人が他の男とエッチをしたら、どんなふうに乱れるのだろう、と。
ダメだ、それだけはダメだ。絶対に寝取られなんてさせないぞ!
「あん💓あん💓もっとして、ご主人様💓」
今日も今日とて僕は杏の自宅で彼女を抱いている。もはや数えきれないほど彼女を抱いているというのに、まったく彼女の体を飽きることはない。むしろ抱けば抱くほど、彼女とのエッチが気持ち良くなるほどだ。
普段は優しいお姉さんみたいな顔をしている杏。しかしいざ彼女を抱くと、杏はどこまでも妖艶で、淫らな美女へと変貌を遂げる。
杏は確かに僕と比べて性の経験が豊富な女性だ。だからこそ、彼女と関係を結んだ当初は、一方的に攻められることが多かった。
しかし経験を重ねてやり方を覚えていくうちに、だんだんと攻守は交代し始め、最近では僕の方が杏を気持ち良くさせてあげられることが増えてきた。
その証拠というわけではないが、僕に攻められてるときの杏はとても淫らに乱れる。
その快感に表情を甘く蕩かせ、気持ち良さに体を震わせ、その大きな乳房を揺らしながら「もっとして」と求めてくる姿なんてとても可愛かった。
「はあ、はあ、ご主人さま、今日もすごく気持ち良かったよ💓」
「うん、僕も気持ちよかったよ、杏」
やがて行為が終わると、僕たちは裸で、汗だくになりながらもベッドの上に倒れこむ。隣でうつ伏せになって荒い呼吸をしている杏を見ると、クスッと楽しそうな笑みを彼女は浮かべた。
「ねえ、ご主人様…」
「うん、いいよ、おいで」
「ふふ」
行為が終わると、杏は意外と甘えん坊になる。彼女は嬉しそうな笑みを浮かべながら僕の近くに来るので、僕はそんな彼女を抱きしめ、そのままキスをする。
「あ、ん…、ご主人様、もうすっかりエッチが上手くなったね」
「そう?」
「うん、もう教えられることなにもないよ」
そっか、それならいざ壬生さんを抱くときがきても安心だな。やっぱりこういうエロいことを教わるなら杏に限るよね!
僕は感謝の意を込めてより強く彼女を抱きしめる。はあ、それにしても本当に抱き心地の良い体だな。
杏の体はとても柔らかく、抱きしめているとその気持ち良さに興奮が滾ってしょうがない。
「ねえ、ご主人様」
「うん?なに?」
「私ね、いますごく幸せなの」
そう言うと杏は照れたように顔を赤く染めて、僕の方を上目遣いで見てくる。
「この夏、ずっと私の家に両親がいなかったでしょ。ご主人様はそれ、変だなって思わなかった?」
「うん。確かに言われてみればそうかもね」
そういえばここ最近、ずっと杏の自宅に入りびたりになっているのだが、さすがにここまで留守にするって妙な気がした。
「お父さんは確かに出張中で今はここに住んでないけどね、お母さんは違うの。私のお母さんね、今は別居中でここに住んでないんだ」
「え、そうなの?」
「うん、お母さんね、なんか浮気したみたいで、もしかしたら離婚するかもしれないの」
…なんだかヘビーな空気になってきた。大丈夫かな、これ?
「といっても浮気そのものはだいぶ昔の話だから、もうあんまり気にしてないよ。ただね、当時はすごいショックで。なんでお父さんがいるのにそんなことするんだろうってすごく恨んだんだ」
「う、うん、そうなんだ」
「だからね、試してみたの。セックスって、そんな大切な人を裏切ってまでする価値があるのかな、って」
ぎゅっと杏の僕を抱きしめる腕に力が入った。だから僕もそっと彼女を抱く腕に力を込め、杏の頭をよしよしと撫でてあげた。なんだか不安がっているような気がしたのだ。
「最初はね、ぜんぜん気持ち良くなかったよ。痛いだけで、なにが良いのかわからない。家族を裏切ってまでやることなのかなって、余計に恨んだ。でもね、やってるうちにだんだん気持ち良くなってきて、ああ、そうか、私ってお母さんと同じなんだなあって思ってね、すごく嫌な気分になったんだ」
——私って嫌な人間だよね、と杏は悲し気に囁いた。
「もしかしたらお母さんに対する八つ当たりだったのかもね、とにかくいろんな男とエッチをしたの。やってる時は気持ち良くて嫌なことは全部忘れられたの。でもね、終わるとなんだか虚しくて、私って必要とされてるのかなって、なんだかなにもかもがどうでもよくなったの…」
杏は僕の方を見る。
「ねえ、ご主人様。私って、要らない子なのかな?私って、セックスの気持ち良さより価値が無いのかな?」
「そんなことないよ」
「本当に?」
「うん、僕は杏が大好きだよ」
「でも体目当てなんでしょ?」
「顔も好きだよ」
「それだけ?」
「声も好きだよ」
「…他には?」
「実は優しいところも好きだよ」
「…ふふ、ご主人様、私のこと好きすぎだよね」
——彼女がいるのに酷い人だね、と杏は言ってから、僕にキスをしてきた。
「ご主人様とエッチをするとね、気持ち良いだけじゃないの。だってご主人様、すごく優しいから、なんだか愛されてるって気分になってね、心が満たされるの」
「え、そう?そう思ってもらえるなら、頑張った甲斐があるね」
「うん、私、ご主人様が大好きになっちゃった。ねえ、私は来沙羅の二番でも良いの。だからこれからもずっと私のこと愛してくれるかな?」
「いいよ、杏のこと、愛してるね」
「…ありがと」
そう言って僕は杏を抱きしめながらキスをする。この日以降、杏の僕に対する態度が今まで以上に甘々になっていった。
やがてお盆の季節が近づき、うちの両親が田舎の実家に帰省することになった。
例年であれば僕も両親と一緒に帰省することになるのだが、今年は受験勉強に集中したいと嘘をついて家に残ることにした。まあ勉強はするので、あながち嘘ではないのだが。
ちなみに壬生さんもご両親の実家に帰省することになったらしく、そのおかげでお盆の時期は壬生さんに会えなくなった。
その結果、僕と杏と瑞樹が会う時間が増え、ただでさえ爛れた生活に拍車がかかった。
まずい。これはまずい。なにがマズイって、勉強ができなくなる!
今までは杏の家でエッチをすることが多かったのだが、これを機に瑞樹と杏を僕の家に招いてそこで一緒にヤリまくった。
「あん💓」
「凄いよ💓」
ごくごく平凡な一軒家に相応しくないような、嬌声と淫語があふれかえる我が家は、まさにヤリ部屋と化している。
もはや瑞樹と杏の体について、僕が知らないところは無いといっても過言ではないほどヤリまくってしまった。こんなにやっているのに飽きないのは、きっと彼女たちがとんでもないほどの美少女だからなのだろう。
朝起きたら杏が僕の布団の中にいてご奉仕をしているなんてしょっちゅうだし、お風呂に入れば一緒に瑞樹も入ってきてそのままやるなんてこともある。
せっかくの夏なので一緒にプールに行けば、水中の中でいやらしいことをするし、海に行けば人目のつかない場所でやるしで、もうヤリまくっていた。
このままでは勉強時間を確保できない、ということで僕はできるだけ二人とのエッチの時間を減らすために、高速で満足してもらえるように努力をした。
「あん、ご主人様、それダメ!やん💓」
「司、そんなの反則だって!ん💓」
杏と瑞樹を満足させ、ベッドの上でぐったりさせてからが、ようやく勉強の開始だった。
まさかこんな事態になるとは。エッチの勉強をしておいて良かった。っていうか、こんなハードな毎日をしているせいか、受験生でありながら最近の僕の体、妙にガタイが良くなっている気がする。
だからだろう、お盆が明けて壬生さんが戻ってきたとき、出会い頭早々に、
「え?根東くん、なんか体、強くなってない?」
とちょっと引かれた。
お盆が明けて家に戻ってきたのは僕の両親も同じだ。そのため、杏と瑞樹は一度家に帰っていった。
「そ、そうかな?」
「そんなにエッチばかりしてて、模試は大丈夫かしら?」
とどこか冷めた眼差しで僕を揶揄う壬生さん。
「それとも、わざと負けて、私が他の男に抱かれる姿を鑑賞したいのかしら?」
「いや、そんなことは決してないよ!」
「どうだか。私の彼氏って変態だもんね」
くぅ、それは否定できない。それにしても壬生さん、久しぶりに会ったというのにすごいエッジの効いたドSトークをしてくるな。くぅ、これでこそ壬生さんだぜ!
「うん?なにがおかしいの?」
「え、うん、その、ほら、壬生さんと久しぶりに会えて嬉しくて」
「!…もう、馬鹿なんだから。それより早く行こう」
壬生さんに促されて僕らは学校の図書館に向かう。
お盆が終わったことで学校も受験生向けに図書館を再び開放してくれたのだが、ただこんな休み明け早々に図書館に来る学生など滅多にいないだろう。
図書館を利用している学生の数が少なく、ある程度なら騒いでも問題なさそうだった。
「じゃあ、模試に向けて勉強しましょうか」
「うん、一緒に頑張ろうね」
「根東くんとしては、私が頑張らない方が良いんじゃないの?」
「ええ、そんなことないよ!いや、確かに負けられないけど、だからって壬生さんの成績を下げるわけにはいかないよ」
「…そう、なんだ。根東くんって、本当に優しいよね」
「え、そうかな?」
まあ、女性には優しくありたいとは思っているが、そう言ってもらえるなら、うん、きっと僕は客観的に見ても優しく振舞えているのだろう。
「そうだよ。そういうところ、私、好きだよ」
「へへ、ありがとう」
なんだか心が暖まる。確かに最近は瑞樹と杏を抱いて肉体的に温まっていたが、壬生さんと一緒にいるこの時間は心の暖かさがある。
確かに美少女たちとエッチをする時間も最高だが、こうやって可愛い彼女と一緒に平穏な時間を楽しむというのも良いものなのだ。
「ねえ、根東くん」
「うん、なにかな?」
「瑞樹と杏とどんなエッチをしたか、聞かせてくれたら、模試で良い点取る秘訣、教えてあげる」
「…場所、変えようか」
まさか僕が逆寝取られ報告をする日がやってくるとは。やはり壬生さんは最高だね。僕の心をあらゆる方法で揺さぶってくる。
果たして僕に平穏な日はやってくるのだろうか?いや、無理かな。
そして僕らは図書館を出て、人気のない場所を探す。といっても夏休み中の学校なんてどこも人気なんて無いので、一階にあるラウンジへ向かう。
普段はここは昼食を食べる生徒で溢れているものなのだが、夏休みなので誰もいない。
僕がイスに座ると、壬生さんはその隣に座る。
隣から女の子の甘い香りが鼻孔をついて、僕を興奮させる。壬生さんは手を伸ばすと、僕の腕に自分の腕を絡ませてきた。
「私がいないとき、他の女とずいぶん淫らなことをしてたみたいだね。一体なにをしてたんだろう?ねえ、教えてよ、根東くん」
「えっと、それじゃあ、杏と無理やりするようなプレイをした日の話をしようか…」
「うん、聞かせて」
自分以外の女が抱かれた話をするというのに、なぜか壬生さんはランランと目を輝かせて傾聴する。
「うん、その日はね、杏の自宅にこっそり忍び込んだんだ。あ、先に言っておくけど、そういうシチュエーションでやるってことだから、杏は了解済みだよ」
「うん、わかった。それで?」
「杏はバスルームにいて、これからシャワーを浴びようとしていたんだけど、そのときに僕がスイッチをオフにして電気を消したんだ」
僕はあの日のプレイを想像する。あの時はなんだか本当に悪事を働いているみたいで、めちゃくちゃ興奮させられた。
「急に明かりが消えて部屋が暗くなったからね、杏はキャッて悲鳴をあげたんだ。それでね、僕は後ろから彼女を強引に抱きしめて、動くな、騒いだらひどい目に合わせるぞって、言ったんだ」
「へえ、なにそれ。鬼畜の所業ね。本当にそんなことやったら犯罪だよ」
「わ、わかってるよ。プレイだから。それでね、その場に杏を組み伏せて、かなり強引にやったんだ。そしたらね、最初は抵抗…いやそういう演技なんだけどね、杏は止めてほしそうに抵抗していたんだけど、僕が責めているうちにだんだん気持ち良くなったみたいでね、ついには無理やりされてるのに自分から欲しがるようになって、暗闇の中で僕は杏と…」
僕はその時の詳細を具体的に、事細かに壬生さんに話した。
壬生さんは僕の言葉に耳を貸し、聞き入って、だんだんと様子がおかしくなる。普段はクールフェイスな美少女なのに、今は頬は赤く染め始め、下半身はもじもじとする。なんだか壬生さんも興奮しているようだった。
やがて話が終わると、「根東くん」と声をかけられる。
「うん?」
「根東くんは、そんなにエッチが上手くなったの?」
うるうると目を潤わせながら、僕を見つめる壬生さん。
「え、うん、どうだろう?杏には上手いって言われるようになったよ」
「そうなんだ。それは楽しみだね」
ふふっと壬生さんは怪しい笑みを浮かべる。
「ねえ、根東くん。私、期待してるよ。私をボロボロに負かせて、最悪の屈辱を味合わせた後に、最高のエッチをしてくれる、そう信じて良いんだよね?」
「うん、任せて。絶対に壬生さんを満足させてみせるよ」
だから模試で良い点を取るコツを教えて、とお願いしたら、快く壬生さんは応じてくれた。
模試の日が迫る。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます