第22話 「補講Ⅰー5倍」

1年は、現在A組C組の二クラスだ。


E組からただ一人残ったメリーさんはA組に移籍になった。


彼女が持つ魔力量は多く、防護魔術も強力だった。

ただ 彼女はこれまであまり教育を受けられる機会に恵まれず 学力レベルが低かったのでE組になったのだ。


メリーは入学後の2か月間 補講に継ぐ補講で朝から晩までみっちりと座学とレポート書きに追われていた。


僕の「補講Ⅰ」はしばらくの間、0と5のつく日だけ、ムサシ・キサラギ・メリー・トシ・マリモの4人で 防護魔法・結界魔法専門の学習日となった。


マリモと言うのは、玉入れの時、3年生の籠5つつを一人で守っていた3Eの人だった。


トシは 玉入れの時に2ACの力を合わせて、僕のひったくり魔法に加勢してくれた2Cの人


みんなの魔法力を合わせる技を同調魔法と言うらしい。

防護魔法や結界魔法と言うのは、強敵から仲間を守るために強い力を必要としたり

長時間機能させるために多くの人の協力が必要だったりする。

その 協力体制と整えるのが 同調魔法なのだか。


同調魔法だけに優れている人と言うのは、一般的な魔法の力が平均的だったりちょっとできる人 程度だったりするので、愚かな人達からは役割を軽視されやすい。


しかし 個人の力に限界があるのは、玉入れの時のことを引き合いに出すまでもなく・・

そして 魔力・魔法と言うのは個性が大きいので、多くの人の力をまとめ合わせる能力と言うのは、これまた特殊技能で 個人に対する理解力も魔法そのものに対する高度な理解力も必要とするものであり・・


魔法使いならだれもが 同調魔法について ある程度知っておく必要がある、というのが講義の趣旨だった。


高い魔力を持つものは、自分一人が がんばりすぎて魔力切れを起こさないように

魔法の成果を強く求める人ほど 他人と協力する技術として同調魔法を

平凡な力しか持たずとも 責任ある地位に就く者もまた 任務を確実に果たすために同調魔法を学ぶべし!

 と言うのが 最初の日の講義であった。


そのために 僕たち5人は互いの不足を補いあいつつ切磋琢磨して 防御・結界・同調魔法のスキルを高める、それが この「補講Ⅰー5倍」の目的だそうだ。

 ちなみに 「ー5倍」が付くのは、毎月5日10日15日・・と5の倍数につく日にやるからだって。

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