第18話 綱引き

15分間の休憩を経て、2試合目の綱引きが始まった。


魔法抜きの体力勝負のはずなのに、僕たち1Aの人間は なぜか体がムズムズして踏ん張れなかった。


1Cの連中は 練習の時よりかなり弱かった。


いくら玉入れに熱中したからって おかしくないか?


試合終了後の結果発表の時に ネタ晴らしがあった。


なんとなんと 玉入れ成績発表で 僕たち1Aが勝った!勝った!と喜んでいる間に、3Aの先輩たちが遅延性の体がムズムズする魔法を僕たちにかけたらしい。


え~~~ そんなのあり~~~~!!

  僕たちの抗議は あっさりと審判から却下された。


  「玉入れの試合時間は 入場から退場までを含む。

   そして その間に使用する魔法の効果時間は運動会終了までに消滅することとしか規則には書いておらん。

   もう一度 運動会の説明書を読み直せ!」と言われてしまった。


「え~~~~、単なる安全上の注意だと思っていたよ。」あかつき


「ちなみに 1年生諸君に対する教育的配慮で注意してやるが、

 1Eの守護者が玉入れの最終局面で魔力切れをしたのは、3Cの学生たちが

 1Eの生徒全員に消耗魔法をかけたからじゃよ」審判


げ~ うぉ~ 1Eが咆哮した。

 道理で 綱引きで踏ん張れなかったはずだ~ と。


「ちなみに1Cの生徒どもは 玉入れの間に2Cの学生から消耗魔法をかけられておる」

 どうりで 1Cの連中が地面に転がっているはずだ・・・


 だから第1試合で1年生は全滅したのか・・・

  なんの魔法もかけられてなかった1年BD組はもっと根性出して綱引きをがんばればよかったのに。どうせ 玉入れは早期敗退で体力がたっぷり残っていたはずなのに、と恨めしく思ってそっちの組をにらみつけたら、


「すまん 俺たち、綱引きの対策をなんも考えてなかった」1年BD組の面々


「2年BD組は 玉入れでみっともなく1年生に敗退したあとは、気持ちを切り替えて

 綱引きに備えて 体力強化魔法を自分達にかけていたことは ほめてやろう」と

講評があった。

 そういえば この学校では 体力強化魔法は1年生の必修科目であった!


う~ 学年の差は、体格の差のみならず 経験値の差でもあった><


綱引きの各クラスの得点は

 1年A~E 0点


 2年A~E 各10てん


 3年A~E 各30点

  つまり3年生は 第2試合で2年生に圧勝したということ

  その理由は 公表されなかった。

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