第9話 入学当初に覚えること

最初の1週間は いわゆるオリエンテーション期間だ。


教室の配置を覚えたり、クラスメートの名前と顔を覚えたり。


 素早く人の顔と名前と特徴をつかんで記憶して、さらに個人情報集めに精出す奴。

 人間以外の方向に興味関心を向ける奴

 とにかく緊張して様子見を決め込むやつ

 やたら自己宣伝からマウントとりに走るやつ

 どっからか入手した予備情報に基づいて派閥づくりに精出す奴


こういうのは どこの世界でもどこの集団でもありがちのことだろう。


ちなみに 私は場所の記憶や人の顔を覚えるのが苦手なうえに、話しかければ愛想よく答えるタイプだから この「最初の1週間」と言うやつがすごく苦手だ。


というのも、私が「場所」と「時間割」を覚えるだけで約2週間かかる。

(それ以外のことには 気が回らない)

一方、ほかのメンバーは 初日から「私」の存在を明確に意識し、

だいたい最初の3日くらいで「最初のお友達」を決めてしまい

出会って1週間もたつと 「最初のグループ」ができてしまっている。


おかげさんで みんなは最初の3日間でクラス全員とあいさつや自己紹介など終わって クラスメートのことをあらまし把握しているのに

いまだ私は 誰が誰だか全くわかっていない、

その結果、周囲からは、「なんだ あいつ 俺のこと覚えてないのかよ 無視かよ 態度悪いな」と思われたり、あるいは かってに相手の方が「私」と親友になったつもりでやたら話かけてくるが、「私」はその話しかけてくる人が誰が誰だかわからないを通りこして 自分のまわりに集まっている人の区別がついてない と言う状況になっている。


こんなんで まともな友達付き合いがスタートできると思うかぁ??


その点 「王子」としてご学友だの護衛だのにとりかこまれているここでの状況は・・ うん 彼らをサポート要員として活用しよう、できればいいな、のスタートであった。 

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