第2話 男でした

紅茶を飲み干し、水場と思しき所へ向かった。


扉の向こうは 立派なバスルームでした。


 小学校の廊下についていそうな細長い手洗い台に蛇口が二つ

 ご丁寧にバケツ用の水場までくっついているから 合計蛇口が3つ


 便座

  蓋を開けて確かめたら 水洗でした。いいね


 湯が出るであろうボイラー(マキ式)

 そして湯船


 実用的なしつらえだけど・・華麗ではない。


 ボイラーの横に でっかい蝋マッチがあったのには笑ってしまった。


壁に作り付けの棚には タオル類がぎっしりと入っていたので、

そこから 1枚取り出してタオル吊りにかけてから 顔を洗った。


洗面台には 歯磨きセットとくし 剃刀が置いてあった。

 かみそりは 床屋さんが使うやつみたいに よく切れそうで怖かった。

 顔そりしてもらうのは好きだけど 私 女だよ。 髭剃りなんて経験ない。

 こ・わ・い!


鏡に映る顔は 金色のくるくる巻き毛に深いブルーの目 丸顔の典型的 坊ちゃん顔

 さらさら直毛だった私には 巻き毛のお手入れ方法なんぞわからん!

 あーせめて 女だったら 侍女たちにおまかせで手入れしてもらえたろうに・・


さあ 実際の所はどうなのかたしかめるぞー と服を脱いで 全身を鏡に映してみた。

 男でした。


 体には 傷跡があった。いくつか・・


 三面鏡を使って背中側をみたら こっちは傷がなかった。


 フム 敵に後ろを見せない勇士であったのか、

 猪突猛進型の阿呆であったのか どっちだろう??


鏡に向かってポージングをしてみたら 手足の筋肉はモリモリっと動いた。

 掌には タコもあった。


 この王子 それなりに 鍛えているらしい。


ついつい これまでになかった付属品に手を伸ばしてみた。(以下略)

 これまで 謎だったことが 少しだけわかった。


もう一度寝なおせば、この体の持ち主と 意識が統合されるかな?

 あらためて パジャマを着て ベッドにもぐりこんだ。

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