第51話 うらはら
ハクは海に向かった、樺町小学校から5キロもないところにある荒浜の海岸。震災で有名になった津波被害の荒小学校前を通り過ぎ、ほぼボウズになった松林の手前に車を止めた。そこから数百メートル先の、防潮堤まで歩き、その海に向かって車のキーを放り投げる。車の中に車検証が無かったところを見ると、奴らが調達して来た車らしい。ナンバープレートもどっかからパクったもんかも知れない、バレたとしても俺の知ったこっちゃない。と煙草に火をつけながら思った。海から少し離れた車に戻ると、灯りの為のライトを消して、ゆっくりと煙草をふかす。そこへ背後から車が近づいて来た。
——何だ?
振り返ってみると、それはパトカーだった。
「あ、やべっ」
逃げも隠れも出来ない場所と、ライトでスポットされているハクは腹をくくった。
パトカーから降りて来た20代と40代らしい警官は若い方は草彅剛、もう一人の方はムロツヨシに似ていた。
——Wつよポン……。
吹き出しそうになり思わず声に出す所を、ギリギリの所で収めた。
そして、当たり前のように職質される。
「君、ここで何してるんだい?」
「いや、特に何も……」
近くでみるとますますムロツヨシそっくりだった。
「この車は君の?」
車をジロリとみる草彅剛はそれ程似ていなかった、 強いて言うなら骨格は同じだ。
「いや、ここにあったから、寄っかかって一服してただけっすよ」
「さっき車ライトが見えたんだが、この車じゃ無いのか?」
ムロポンは車をマジマジとみる、確証はないが、津波にのまれたのとは違う壊れかたをしていて怪しんでいる。
「さっきまで別の車いたっすよ? そっちの道さっさと行っちまったけど」
防潮堤と松林の間にある道を顎でしゃくって、サラッと嘘をつく。
「じゃあ君はどうやって来たんだ?」
交通機関など無い。
「歩き(帰りは)ですけど……」
嘘と本当が混じりだす。
「この時間にかね?」
怖くないのかと聞いてるようだ。
夜の海には、泥棒でも近づかない。
「俺、姉ちゃん(友達の)と喋りに来ただけなんすけど」
ふたりの警官は顔を見合わせた。
「君……本物……?」
恐る恐る聞く剛ポン。
「は? あの、何言ってるのかわかんないっすけど……」
これはハクのマジな質問。ふたりの警官また顔を見合わせて、頷いた。
「分かった、用事を済ませて早く帰りなさい、
ここ、危険だからね」
それだけ言うとパトカーに乗り込んでそそくさと行ってしまった。結構呆気なく退散してくれたので、拍子抜けする。
「どんだけ怖がってんだよ、おっかね〜なもう、俺何も見えないからいいけど」
——あー、でも助かった、車に近づくんじゃねーかってハラハラしたわ、ボンネットでも触られたら、ここまで乗って来たの一発でバレるもんな。
ハクは安心して胸を撫で下ろした。
改めて2本目の煙草に火をつけると、海の方角を見た。海は見えないが波の音が響き、澄んだ空気が夜空に映える星たちを輝かせる。
ハクがボソッと口を開いた。
「あのさー、ここに誰か居るんなら伝えてくんねぇ? 一臣の姉ちゃんにさ。あいつを現実に戻してやってくれって……、あんたが死んでからあいつの時間止まったままなんだよ。見てくれよこの車、ひでーだろ? あいつなりにもがいてるみてーだけど、出口が分からなくてこのありさまだ、このエネルギーをそのままにしてたらあいつ本当に壊れちまう」
深呼吸するかのように煙を吸い込み、溜息をつくかのように吐き出す。
「……一臣はさ、燃えカスな俺とか、セキみたいなハンパ野郎と違うんだよ、なんて表現したらいいかわかんねーけど……」
冷たい風が目に突き刺さり、切長の目尻を細めた。
「……誰でもいいから何とかしてやって」
結局他力本願に行き着くハクだった。
「ついでにカミングアウトしちゃっていい?」
本当にそこに誰か居るかのように語りかけ、独り言の域を超え出した。
「俺、未成年だし、無免許なんだわ」
正真正銘の19歳で、二輪の免許証しか持っていないハクは、もう一度胸を撫で下ろした。
「免許証見せろって言われるかとハラハラ、ドキドキよ、あのつよポンズ、怖がりでよかった〜、あ、皆さんのおかげ?」
虚しさを吐き出してストレスが軽減されたハクは、なんだか愉快な気持ちになってきて、ケラケラと笑い出した。
「……『臣くん』かぁ」
後藤が床に突っ伏したまま言った。
「羨ましいのかよ」
今田は隣で仰向けに寝そべって喋った。
「なんかさ、あの声聞いて泣きそうになった」
「……またかよ」
よく泣く奴だなあ、と思う今田も、肩の荷が降りて一息ついた瞬間だった。
後藤と今田は、流し台から携帯のバイブレーションの響きで、流衣の居場所を突き止めた時、こんなとこに居たのかと驚き、いざ助け出そうとした瞬間に躊躇した、なんせ自分らはさっきまで梶と一緒だったのだ、果たして助けようとしてるのが伝わるのかどうか不安になった、そうこうしているうちに入口に一臣が現れた。後藤と今田は瞬時にバトンタッチする事を思い付き顔を見合わせ、ふたりはやられたフリをして床に倒れた。不可解な顔をした一臣に、またしてもふたり同時に流衣の居場所を指差しで教えた。二人のボディーランゲージの意味を理解した一臣は、流衣を狭い空間から解放して、無事に外に出て行ったのだが、その時流衣が発した『臣くん』の一言に、恐怖からの解放、戸惑いと安心と嬉しさが一堂に詰まっていて、ふたりは何やら胸が熱くなり感動したのだった。
「さみぃけど、あったけぇ」
「なにネタ?」
両極端なことを言う後藤に、突っ込みを入れる。
「ホットした」
「褒めねーぞ」
「今田に褒められても嬉しくねーよ」
「女子に褒められてーの?」
「それ嫌な野郎いるかよ」
「まーな」
「……なんかアイツに比べて、オレらダサくね?」
方や女子を救い出し、方ややられて床に倒れる。
ヒーロー者の王道スタイルに、異議を申してブツクサ言う後藤。
「しゃーねーよ、正義の味方はイケメンって決まってんだから」
「オレ昔、良い事するとイケメンになると思って、良い子してたんだよな。でもいつまで経ってもブサイクなままで、小3で嘘だって分かったんだ」
「何で目が覚めた?」
「かーちゃんがサンタだって分かった時」
「イミフ」
「……イケメン説は、家の手伝いさせる為の、かーちゃんの嘘だった」
「〈しまむら〉かーちゃんの罠、凄えな。ってか、それで横道外れたんならお前もすげぇ」
「……」
黙り込んだ後藤に、当たってたのかと気まずくなり今田も黙り込んだ。
「なんかパトカーのサイレン聞こえてきた」
「あー、スピード違反かな」
日下達の存在を知らない後藤と今田は、パトカーがこちらに向かってる事も、梶が逮捕される事も分ってなかった。
「オレら逮捕されんのかな……」
安原が刺された事で、『事件』になることを踏まえて、現実的になる後藤。
「梶の片棒担いでっからな……。とりま何もしてねえから、逮捕迄は無いんじゃねえかな」
確実に事情聴取はされると思うが、罪に問われるかどうかは微妙と言う今田。
「それでも就職は取消しかな」
「それで済めば良くね?」
「マジ寒い」
後藤はブルルッと震えた。
「……今更だけどおまえさ、あん時、藤本が言った『相容れない』って意味分かってねーだろ」
「古っ! それいつの話題だよ!」
「ついさっき」
「……今田は解んのかよ」
「分かるわけねーだろ」
「笑笑笑笑笑笑笑笑笑笑」
「笑笑笑笑笑笑笑笑笑笑笑笑」
「今田、2個多い」
「数えてたのかよ!」
もう笑うしかないと思って、後藤の真似をした今田だったが、後藤に叱られた。
一臣と流衣はいつもと同じく、手を伸ばせば届く距離を保って歩いていた。今日一日でいろんな事があって、流衣は色んな恐怖を味わったが、その全てを覆うような、セキの言った一言が執拗に浮いてくる。
「おまえの大事な女……」
「え?」
一臣が聞き返したので、流衣は自分が声を出してしまった事に気づいた。
——ウソっ、あたしなんで声に出して言っちゃってるのっ、もーばかばかばかっ。
恥ずかしい、穴があったら入りたい……。
顔を隠して下を向いて真っ赤になった流衣、でもこの暗さではよく分からない。
「俺おまえの事大事だと思ってるけど、迷惑?」
あまりの唐突な告白に、恥ずかしさを通り越して固まってしまう。けれど一臣を見つめると、真面目な顔をしてる
「……迷惑じゃない……」
流衣は素直に嬉しいが言えなかった。
「脚、大丈夫?」
「え?」
「右脚」
流衣は驚いた。
セキに叩かれて倒れた拍子に右脚を少し捻っていたのだ。一臣はここまで歩いた足音でそれに気が付いていた。
「大丈夫……」
「それならいいけど……」
——あたし……普通に歩いてるつもりだったのに、脚を引きずったわけでもないのに、何で気がついたんだろう……。
自分が思ってる以上に、いや、流衣自身よりを心配して気にかけている一臣に、その遠回しながら静かな優しさに触れて、保っていた緊張の糸が切れた。
……流衣の脚が止まった。
男達に囲まれた驚きから、ずっと溜まっていたものが、流衣に一気に押し寄せて来た。
暴力への恐怖感。
卑猥な目線の嫌悪感
セキの裏切りの不信感。
何より、梶に体を
流衣の顔色が変わり、様子がおかしい事に一臣も気がついた。流衣は何とか歩き出そうと、一歩踏み出したら膝から崩れ落ちて、目の前にいた一臣にしがみついてしまう。
流衣があまりに小刻みに震えているので、どうしたらいいのかわからず、一臣はそっと抱きしめてみる。
昨日流衣がそうしてくれたように。
「我慢してたの?」
流衣は小さく数回頷いた。
「あまり意地はらないほうがいいと思うけど」
「……」
声が出なかった。
昨日と立場が逆転した2人。
流衣は、その包容力の高さと優しさに素直に甘え、一臣の胸に顔を埋めた。
その胸の温かさに包まれ、一臣の心臓の鼓動を聞いているうちに、流衣は次第に落ち着いていった。男達の暴挙を記憶から色褪せさせるのに、どんな慰めの言葉よりも強く響いた。
安らいだ流衣の心は、今日の出来事の中のひとつに思いを巡らせた。
——セキは何を考えていたんだろう。
起こしたことは許せないけど、凄く怖かったけど、前にハクが言ってたみたいに、臣くんがスゴイ選手だとしたら……。
しかも、それを今、全く感じさせないくらいキッパリと、辞めたのだとしたら……。
……その気持ち……分からなくは無い。
セキが今までどんな思いで、一臣やハクと居たのか考えると、少し痛堪れなくなった。
しばらくして、流衣の身体の震えが治まったのを感じた。一臣が口を開いた。
「落ち着いた?」
「うん」
流衣が顔を上げると、すぐそこにいつもの一臣の顔があった。
「……あっ⁈」
流衣が突如として大きな声を出して、一臣から離れ自分の周りを確認して、慌て出した。
「あたしのカバンッ! やだっ! どこぉっ⁈」
流衣はようやく普段の空間に戻ったのだ。
「ハクに預かってもらってるから、明日『時玄』で受け取れば良いんじゃないかな」
「えっ、あ、そっか、そうだった……。や、あたし……その……」
一臣に言われて、ハクがそう言ったことを思い出して落ち付きを取り戻し、取り乱した自分が恥ずかしくなった。
「臣くん、右腕痛くない?」
恥ずかしさをごまかす様に問いかけた。
「そうでもない」
「……でも、折れてるでしょう?」
「多分」
「ごめんなさい」
「なんで謝るの?」
「だって、わかってたのに、私……すがっちゃって……」
一臣があまりにも、なんでも無いというスタンスを貫くので、流衣は急に罪悪感でいっぱいになった。
「言ってる事おかしくない? 俺の怪我は自業自得でしょ?」
一臣の物言いは、冷静に分析しているようで、話題を逸らしているようにも見えた。
「なんで怒んないの?」
「え?」
一臣の言葉に驚き、流衣は聞き返した。
「流衣は巻き込まれただけなのに、その原因を作ったのは俺なのに、俺に怒りをぶつけて
吐き捨てるように言った一臣に、流衣は戸惑ってしまう。
「そんな事、考えた事なかった……」
——臣くんに怒る? なじる?
考え込んでみても、一臣に対して怒りや文句など湧いて来ない流衣。
「でも……あんな事した、あの人達のが悪いと
思う……」
それを聞いた一臣は、流衣のお人好しぶりにイラついた。
「馬鹿だな、だから……」
一臣は言いかけて止めると、拗ねた子供のようにそっぽを向いて、そのまま歩き出した。
何を言いかけたのかは聞かずに、流衣は後ろをついて行く。
……ほっとけない……
その言葉を飲み込んだ一臣は、流衣の足音を聞きながら振り向かずに歩いた。
「また明日」
どちらともなく、それを言うのがその日の別れ
の合図。
流衣は階段を一段あがると、そこで止まって
振り向いた。
「臣くん、明日病院行って」
「病院?」
病院に行くという発想がなかった一臣は、思わず聞き返した。
「やっぱり、行く気無かったでしょ? ダメだよ
そんなの」
「病院行くほどじゃないし」
足の骨折でも無いし、複雑骨折でも無さそうだと自己診断してる一臣は、診察したところで痛み止めを出されるだけだと思い、時間の無駄だと思い反論する。
「臣くん。……もっと自分のこと大切にして」
一臣の判断を知らない流衣は、腕だけじゃなく、顔にも数箇所アザを作って、それでも平気な顔をしている一臣が心配で仕方がなかった。
「……」
近所に個人の外科病院が無く、総合病院の診察がやたら時間が掛かるのも、行き渋る理由の一つで、一臣は出来れば行きたく無いのだ。
「お願い!」
煮え切らない一臣に、流衣は懇願してしまう。
「……流衣がそう言うなら」
流衣があまりに心配そうな顔をしてるので、とうとう一臣は折れてしまう。
「本当?」
流衣の顔がパッと明るくなって、とても喜んだのでそれを見た一臣は黙って頷いた。
「じゃあ約束ね」
一臣が自分の言う事を聞いてくれたので、流衣は嬉しくなって、一臣の左の頬にキスしてしまう。
「………」
意表をつかれた一臣は、一時停止ボタンを押された様に静止した。
「臣くん、もし破ったら、その約束返してね」
一臣の目が丸くなる。
流衣は浮き足だって階段を上がり、それを一臣が
見つめる、登りきったところで流衣は振り返って。
「おやすみなさい」
そう言って流衣は家の中に消えていった。
「返すって、どうやって……」
一臣は考え込み、途方にくれた。
「こんな時間まで、なにをしていたの⁈」
家の中に入ると、母が待ち構えるように立ったまま吠えた。その姿を見て、流衣は数秒の間に世界が変わった錯覚に襲われた。
「ごめんなさい」
母親が怒っているのが、自分が帰って来た音で起こしたのかと思った流衣は、咄嗟に謝った。
「何をしてたのか聞いてるの」
柱に掛けてある時計を見た、9時を少し回ったところだった、寝るのはまだ早い。
「あ、あの、今日のバイトの後、その……友達と話してたら時間が遅くなっちゃって……」
今日の出来事は言えない、言っちゃいけない。そう思って必死にいい訳しようとしたが、流衣は上手く言えなくてしどろもどろになった。
「友達と話してたですって⁈ 随分と優雅ですこと! 少しは家の仕事を手伝ったらどうなの? 私もお父さんも一日仕事してクタクタなのよ、何であんただけ楽するの⁈」
「ごめんなさい」
母の機嫌がいつもより悪い、こんな時はただひたすら謝るのみだと、流衣は理解してる。
「こんな時間までさせられるバイトなら、辞めてしまいなさい」
「それは嫌、バイト辞めたら、レッスン代がなくなっちゃう!」
それだけは回避したい思いで、つい言い返した。
「バレエなんかやめて、家の手伝いをすれば良いでしょう」
流衣がローザンヌに出場する事を知っていても、バレエを辞めろと簡単に言う母は、流衣のバレエに対する思いを理解してはくれない。
「お母さん! レッスン代自分で払うなら、バレエ続けていいって言ったじゃない、家から一銭も出さなければ、踊っていいって約束してくれたじゃない、何でそんな事言うの?」
言えば言うほど、母親の機嫌を損ねる事になるが、踊りたい一心で必死になって訴えてしまう。
「バレエ、バレエって取り憑かれたみたいに……、気持ちの悪い子ね」
気持ちの悪い、よく言われてる言葉だけど、何度聞いても慣れない言葉。
流衣はそれを聞くと、引いて萎縮してしまう。
「友達ってあの男の子のこと?」
「……うん」
「話をしてたって言うけど、……何してたのやら」
母の視線がいやらしく刺さる。
「……家から近いから送ってくれてるだけで、そんなんじゃない……」
強くもはっきりも言わないよう気をつける。
——臣くんの事を悪く言われたくない……。
そんな流衣の純粋な想いは母親には届かない。
「手伝いも満足に出来ないくせに、男に色目使うのだけは一人前なんて、いったい誰に似たのかしら、本当に嫌な子ね!」
言うだけ言って、母はぴしゃりと戸を閉めて、自分の部屋へ戻って行った。感情に波はあるものの、ほぼ毎日こんな調子、流衣は家で眠れない、安らげない。
流衣はバレエを踊ることで精神のバランスを取っている。踊ると皆んな褒めてくれる、悪口も無い、イヤミも無い、けなす事もしない。レッスンに行くと流衣は精神が解放されて、生き生きと出来る。楽しくて仕方ない、あの時間の為なら、何でも出来る。
流衣にとってコンクールは目的では無くて手段、踊り続ける口実。
でもローザンヌのビデオ審査に通った時、それは、手段でも口実でも無く、目標に代わった。
バレエという名の人生の目標に。
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