第4話
トーマはそのバグを除けば、本当に完璧だった。
特に彼の作るオムライスは絶品だった。
いや、ロボットなのだから得手不得手はないはずだ。つまり彼がどこかから入手したレシピで作ったオムライスが、私の好みだったということなのだろう。
でもそんなのどうでもよかった。
彼がおいしいオムライスを作ってくれる。イケメンで不愛想な彼が、私のためにオムライスを作ってくれている。
それだけで私は十分に幸せなのだった。
「トーマお水もらっていい?」
「嫌です」
「ありがとう」
彼は水の入ったコップを差し出し、私はそれを受け取る。
口では嫌だと言いながら結局私のお願いを聞いてくれる。なんだかこれはこれでツンデレというか、素直じゃない感じで可愛いな。私はそんなことを思い始めていた。
「マスター、ケチャップがついています」
「ん」
トーマがティッシュで私の唇の端を優しく拭ってくれる。
「……んふふ」
イケメンとの共同生活最高!
心の中で私は叫んだ。
給料4ヶ月分とボーナス1回分で手に入れたロボットライフ。幸せに満ちた夢のような生活。
しかしそれは、長くは続かなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます