第5話 異次元文化交流

「クラン、トリプルエスアールですか?」


 俺は混乱していた。

 強敵の筈の大猿はあっさり倒され、助けられた人物には会話が通じない。

 通りすがりの冒険者かとも思ったが、そのおかしな言動からそれすら怪しく思えてきた。


「あー、つまりクランというのはですね冒険者が集まって作る団体の事です。」


「冒険者の団体?

 パーティとは違うのですか?」


 東風の横からイザ姐が会話に割って入る。


「パーティより大きな単位の集団って感じかな。

 パーティはその結成目的に応じてクラン員から集めてもクラン外の冒険者から集めて組んでも構わないけど、クランの人間なら都合も合わせやすいしお互いの力も把握できてるから便利だぜ。

 それにクラン拠点も利用できるし、クランの倉庫に皆の預けたアイテムを利用したりできるんだ。」


 イザ姐は丁寧に説明してくれるのだが、その布を巻きつけただけの大きな胸が動くたびに揺れるのが気になって頭に話が入ってこない。


「あ……あのイザ姐さん……」


「イザ姐さん?

 あ、そうかネームタグがないから名前がわかんないのか。

 イザネでいいぜ。」


「あ、ではイザネさん、目のやり場に困るのでその恰好どうにかなりませんか?」


 俺は彼女の身体をなるべく見ないように少しうつむいて言った。


「そうかぁ?俺なんてまだおとなしい方だと思うけどな。

 最近じゃこれくらいの恰好した奴、普通にいるし。」


「最近露出の高い水着系のコスチュームのガチャが増えましたからね。

 こないだ野良でご一緒したパーティメンバーなんて、男でしたけどふんどし一丁で戦ってましたよ。」


 そんなバカな奴が普通にいてたまるかぁっ!


「あ、でも少し寒くないですか?」


 心の中で思いっきりツッコミを入れてしまったが、気を取り直して俺は切り返す。

 夏は近いとはいえ季節はまだ春。

 そんな恰好で寒くない訳がない。


「いえぜんぜん寒くないですよ。」


 なぜか東風が答えるが、あんたには聞いてない。


「そういえば、ちょっと寒いな。

 冷気の魔法をかけられた訳でもないのに変だな?」


 イザネは右手に持っていた丸い盾で体を少し隠す。


「そんな露出の高い恰好じゃ、寒くて当たり前でしょ?!」


 俺は当たり前の事を当たり前に言ったつもりだったが、イザネは納得できないらしく首をかしげる?


「え?服装によってそんなペナルティが付くようになったのか?」


「もしかしたら、あまりにも際どい恰好の冒険者が増えたので運営が対応したのかもしれませんね。」


 東風はなぜか納得しているようだが、俺は東風の言ってる事の意味がわからず納得ができない。


「自由な服装で冒険できるのがドラゴン・ザ・ドゥームのウリじゃなかったのかよ~。

 しょうがねぇ、ちょっと着替えてくる。」


 そう言うとイザネはクラン拠点と呼ばれる建物に入っていった。


「あれ?さっき俺が入ろうとしても入れなかったのに?

 どうやったんです今の?」


 俺は東風に尋ねた。


「クラン拠点はクランメンバーにならなければ入れないんですよ。」


「?クランメンバーっていうのには、どうすればなれるんですか?」


「おや、クランに興味が出てきたのですね。」


「あ、え?

 えっええ、まぁ、そうです。」


 俺はこのクラン拠点とかいう謎の建物の正体を知りたかっただけなのだが……。


「クランに入るには、クランマスターの許可が必要です。

 うちのクランは”他の冒険者に迷惑をかけない常識のある人”であれば誰でも歓迎しておりますので、すぐにでも入れると思いますよ。」


「は、はぁ……」


 俺には東風にもイザネにも”常識”があるようには見えないのだが?


「なんだお前か?イザネの言っていた入団希望者っていうのは?」


 不意にクラン拠点の扉が開き、ソーサラー風の男が出てきた。

 首からは丸い大きなアミュレットをぶら下げ、やたらとツバの大きい平らな帽子を目深に被って4つの小さな輪っかのついた杖を持っている。

 ソーサラーの中には好んで怪しげな恰好をする奴もいると聞くが、丁度こんな格好なのだろう。

 身長は180~190といったところだろうか。

 東風同様に筋肉モリモリのマッチョマンで、魔法を使うより殴り倒した方が早いんじゃないかとすら思える。


(あれ?もう一人いる。)


 魔術師風の男の後ろから小さな老人が前に進み出てきた。

 金の鎧に赤い陣羽織、頭には王冠を模したようなアミュレットを付けている。

 カールの掛かった白髪に髭を蓄えた口元、眉毛をあまりにも蓄えているため眼が隠れてしまっている。

 大きな顔を模した盾を手に持ち腰から小さな杖を下げているのだが、この人はこの装備でどう戦うつもりなのだろう?


 老人は俺の目の前までヒョコヒョコ歩いてくると胸を張って叫んだ。


『王であるっっっ!!』


 は?……え?は?……なに?なんなの?

 俺はどう反応していいかわからず混乱していた。


「このクソジジイがバカやっても相手にしない方がいいぜ。」


 魔術師風の男がニヤニヤしながら言う。

 気付くと老人は混乱する俺を指さしてクスクスと笑っていた。


「あの……このジイさん何者なんですか?

 意味がわからないんですけど。」


「この人がうちのクランマスターの”べべ王”ですよ。」


 困った表情で後ろ頭を手でかきながら東風が俺に答えた。


「王族なんですか?」


「ぎゃはははははっ」


 俺の言った事がおかしかったのか、べべ王が腹をかかえて笑い出す。


「んな訳あるかよ。

 このジジイが勝手に名乗ってるだけだ。」


 魔術師風の男がべべ王を押しのけて俺の前に立つ。


「俺は大上・段(ダイジョウ・ダン)ってんだ。

 お前は?」


「カイルといいます。」


 この男には苗字があるが、もしかして名のある家の出身なのだろうか?

 ダン家などという家はこの辺では聞いた事がないのだが?

 まさかべべ王と同様にただ名乗ってるだけなのだろうか?


「で、カイルよ。

 ここは一体どこなんだ?」


「リラルルの村の近くの森ですけど?」


 俺の言葉に納得できなかったのか段は首をかしげた。


「べべ王がクラン拠点の場所を変更したのではないのですか?」


「そんな訳ないじゃろう。

 拠点の移動ができる程、クランポイントは残っておらんかったわ。」


 べべ王が東風を見上げて答える。

 クラン拠点が移動するというのなら、先ほど森が光ったのはクラン拠点がここに移動したためなのであろうか?

 その時クラン拠点の戸が開き、着替え終わったイザネが顔を出した。


「おまたせ。

 なんかわかったか?」


 イザネの赤い鉢巻やブーツや手袋はそのままであったが、白いシャツと白いズボンに履き替えていた。

 普通の村人や町人のような服装と重そうなメイスと丸い盾が不釣り合いに見える。


「こいつの名前がカイルっていうのと、この近くに村がある事くらいだな。」


 段が俺を指差して答える。

 べべ王はクランのメンバーが揃った事を確認すると俺に向き直った。


「さてカイル君。

 我等のクランに入団希望だそうじゃが、うちのクランは他の冒険者に迷惑を掛けるような真似をしないのであれば、それ以外に特に縛りはない。

 なにか疑問点があるのなら入団前に、今ここで相談してくれ。」


 べべ王がさっきとは違い、真面目な口調でクランに勧誘してくる。

 断るのは簡単だが、俺はこの人達の正体も、この建物についてもまだ良くはわかっていない。

 このまま手ぶらでデニム達の所に帰ってもどう状況を説明をしたものか。


「あの、一緒にここに来たパーティメンバーと相談してからじゃ駄目でしょうか?」


 俺は別にクランに入りたい訳ではないが、状況を知るためこの4人の情報をもっと知る必要がある。

 だが俺一人でこいつらと会話をしても手に余るので、うまく誘導してデニム達の力を借りようと考えていた。

 大猿が死んだ事も早くデニム達に知らせて安心させたかった。


「ん?ああ構わんよ。」


「じゃあ、仲間の所まで案内するのでついて来て下さい。」


 快諾したべべ王達を引き連れ、俺はデニム達と別れた方向に歩を進める。


「まいったな、周辺マップすら表示されないぞ。」


 俺のすぐ後ろでイザネがぼやく。


(周辺マップってなんだ?)


 ”サービス終了””運営””ガチャ””ドラゴン・ザ・ドゥーム”そして”周辺マップ”意味のわからない言葉が出る度に混乱する。

 いったいこの人達はどこから来たのだろう?

 遠い国から来た人達と考えても、おかしな事だらけだ。


 気付くと俺の魔導弓をイザネが珍しそうに眺めている。


「あの、なんですか?」


「なぁ、カイルのジョブって狩人なのか?

 随分変わった弓を持ってるけど。」


 イザネはおれの魔導弓を軽く指でつつく。


(ジョブ?

 クラスの事かな?)


「俺はマジックアーチャーですよ。」


「マジックアーチャー?

 新シーズンで追加されたジョブかな?

 どういう事ができるのか少しみせてくんない。」


 大猿も既におらず魔力を温存する意味もない。

 ちょっとくらい魔法を無駄撃ちしてもいいだろう。


「じゃあ、少しだけ。」


 俺はルーン文字を空中に描き、生成したサンダーアローを魔道弓につがえる。


「ほぉ、かっこいいのぉ。

 早くジョブ開放をしたいわい。」


 べべ王がまた訳の分からぬ事をいう。

 チャチャを入れて集中力を乱させないでくれ。


(標的はあれでいいかな?)


 俺は青い実の下がった木の枝に狙いを定めてサンダーアローを放った。


 ヒュンッ……バチバチィ


 放たれた雷の矢は木の枝をへし折り、実を地面に落とす。

 段が驚いて駆け寄り、落ちてきた実の付いた枝を拾いあげる。


「おお、こいつはすげえな。」


 大した魔法じゃないのになんでこんなに驚いているのだろう?

 マジックアーチャーがそんなに珍しいのだろうか?


「私もちょっと試してみますね。」


 東風は近くにあった一本の大木の前に立つと、目にも止まらぬ速度で腰から下げていた二本のナイフを振るう。


シュッ……


 再びナイフが鞘に戻った瞬間に幹は横に真っ二つに切断され、大きな鈍い音を響かせて木が倒れ始める。


メキメキメキギギギギギ……ズドォォォ……ン


「な?なにやってんですか東風さん?」


 大猿を一撃で倒したイザネも化け物だと思ったが、この東風という男もやはり化け物だ。

 というか改めて思うが、化け物じみた力を持つ人間達が傍にいて、そいつ等が次に何をするかわからない、何を考えているのか想像もできないというのは本当に恐ろしい事だ。

 あっけに取られ驚いている俺を他所に眼を輝かせて東風が答える。


「ちょっと確認してみたんですよ。

 凄いですね、地形や障害物にちゃんと破壊判定が追加されてますよ!」


 東風は切断した木の年輪を手で撫でながら感動に打ち震えている。


「まさか新シーズンになってここまで進化しているとは!

 あまりやり過ぎると地形が変わりそうで怖いですが、でもこれで冒険の幅が広がりますよ!」


「そういえば、さっきジジイと二人で試してみたんだがFF(フレンドリファイア)判定も追加されてたぜ。

 不具合も出てるみたいだが、気合入ってるぜ今シーズンは!」


 段は拾った木の枝を放りながら言う。


「マジかよ!」


 今度はイザネが目を輝かせる。


「FFありって事はPvP(プレイヤーVSプレイヤー)も可能になるって事だよな!

 一度やってみたかったんだあれ。」


「PvPとか、そういう乱暴なのは私は嫌いなんですけどねぇ。」


 東風はイザネとは対照的に肩を落とす。

 ”FF”も”PvP”も何のことかさっぱりわからないが、”乱暴なのは嫌い”とかお試しで大木を切断する大男の言う事ではないのは確かだ。


「カイル!

 どこ行ってたのよカイルっ!」


 突然名前を呼ばれて声をした方を振り返ると、ルルがこっちに駆け寄って来る。

 ここはデニムと別れた場所からは少々離れていたが、恐らくは先ほど東風が大木を倒した音を聞きつけて俺を発見したのだろう。

 が、ルルの姿は尋常ではなかった。

 手にしていたショートソードをその場に落とし、血まみれの手をぶんぶん振るって走り、顔は泣きはらした跡がある。


「デニムに何かあったのか?!!」


「早く、早く来てっ!」


 俺が叫んでルルに駆け寄るとルルはデニムの居た方に走り出す。

 余程必死なのだろう、俺の案内して来た怪しい四人組でさえ眼中にないようだ。

 俺はルルと共にデニムの居る場所へ急いだ。


(!!!!!!ッ)


 必死に走って再会を果たした時、デニムは死にかけていた。

 鎧は切り裂かれ、胸に付けられた大きな傷がら流れた血が池を作り、ヒュッ……ヒューとかすれるような息をしている。

 また、左腕があらぬ方向に曲がっており足元には治療に使ったであろうポーションの空き瓶が転がっている。


「ポーションで治療したのに、血がっ……血が止まらないの!

 カイルが行ってからすぐに大猿がここに来て、それでデニムは戦ったんだけど……

 と、とにかく早くヒールアローを!」


 パニックを起こしたルルは手でデニムから流れる血を止めようとしているようだった。

 俺は急いでルーン文字を描きヒールアローを生成する。


「うわっ、傷の表現までエグくなってる……。」


 後から来たイザネがデニムの傷を見て顔を背ける。

 俺はヒールアローをデニムの胸の傷にめがけて放った。


「なによっ!

 全然治らないじゃない!」


 ルルが悲鳴を上げる。


「落ち着いて下さいっ!

 ヒールアローの効果は長時間持続します。

 傷が深いと目に見えた効果が出るまでにタイムラグがある事もあるんです。」


「本当だ傷が塞がって来た……」


 ルルは安堵の笑みで少し顔を緩めたが、俺は逆に絶望していた。


(傷の治りが遅すぎる……)


 想定したよりデニムの傷が深いのか、生命力が弱り過ぎて治療魔法の効果が薄くなっているのかわからないが、とてもヒールアロー一本では足りない。

 俺の魔力全てをヒールアローに替えて治療してもデニムの一命をとりとめる事ができるかどうかわからないのだ。

 俺はさっきサンダーアローを無駄撃ちして魔力を無駄に消費した事を悔いていた。


(くそっ、こうなると知っていれば!)


 俺が二本目のヒールアローを放とうとした時、横からひょいとべべ王が腕を伸ばし手に持ったポーションの瓶の中身をデニムの胸にかけた。


チョロロロロ……


「うそ!

 血がとまってる……デニムッ!デニム!」


 べべ王はポーションの効果であっという間に胸の傷が塞がった事を確認すると、残った瓶の中身を今度はデニムの腕にかける。


シュウウウゥゥ……


 湯気が上がり、折れ曲がっていた筈のデニムの腕が正常な位置に治っていく。


(バカな……)


 これ程の回復効果のあるポーションは噂にも聞いた事がない。

 一体どれほど高価なポーションを使ったのだろうか?

 デニムの頬に赤みが差し、うっすらと瞼が開く。


「デニムっ……あぁ、良かったぁ……」


 泣きつかれたルルの声はすっかり枯れてしまっていた。

 意識を取り戻したデニムが、ゆっくりと指で彼女の涙を拭う。


「ありがとうございますべべ王!

 よくなんな高価なポーションを……。」


 俺はべべ王に礼を言おうとしたのだが、べべ王は俺を無視してデニムとルルの前に立ち胸を張る。


『王であるっ!!』


「は?」


 あっけに取られるデニム達を見ると、べべ王はコソコソと後ずさって距離を開け二人を指差す。


「ぷ~クックックックックッ。」


 このジジイは初対面の相手全員にこんな下らない事をやっているのだろうか?

 段はジジイと一緒に笑っているが、イザネと東風は恥ずかしいのか二人からちょっと離れる。


「あ、ありがとうございます。」


「あ、ありがとう」


 少し間を開け、ようやく我に返ったデニムとルルが礼を言う。

 ルルはやっと俺の連れてきた四人の異様に気づくだけの余裕を取り戻したようだ。


「……この人達は誰なのカイル?」


「その事についてちょっと二人に相談が……」


 俺は四人組の方を振り向いて声を掛ける。


「先ほどの件についてパーティで相談したいのですが。」


 一通りやりたい事をやり通したべべ王がスッキリした表情で答える。


「ええよ。

 よくわからない事があるなら説明したげるから呼んどくれ。」


「はいっ」


 俺はデニムとルルの方を向き、大急ぎで相談を開始する。


「あ、あの”クラン”とか”ドラゴン・ザ・ドゥーム”とか”FF”とか”PvP”とか”運営”とか、そういう言葉を聞いた事ありますか?

 あの四人は信じられないくらいの実力者のようなのですが、言ってる事の意味が全くわからなくて。」


「そんな事より大猿がうろついてるのよ!

 あいつここにも来たんだから!

 4メートルを超える大きさで、爪も牙も鋭くて……デニムを……

 い……今のあたしたちじゃ、どうやったって勝てない……早く逃げましょう!」


「あの大猿なら死にましたよ……」


 再びパニックを起こしそうになるルルをなだめるように俺は言った。


「あの四人の中の、白い服を着た女戦士です。

 一撃で仕留めたの確かに見ました。」


「あの人が?

 あんなに小さいのに……ほんとに殺したの?」


「死体は向こうに転がってますよ。

 頭が完全に潰されてます。」


 ルルは信じられないという表情で目をパチクリさせている。


「俺が全力で剣を振るっても、あいつの顔の表面に傷を付けてなんとか追っ払うのがせいぜいだったのにな……

 凄いものだ。」


 デニムが複雑な表情を浮かべる。


「で、さっきの言葉の意味はなんなんだ?

 ”クラン”とか”PvP”とか俺も聞いた事がない。」


「俺だってわからないですよ。

 あいつ等の会話から”クラン”っていうのが冒険者の集団の事だってくらいはわかりましたけど。

 で、クラン拠点と呼ばれる建物がなぜか大猿の縄張りだった場所にあって……」


「それが、森が光った原因なの?」


 ルルがデニムとの会話に割って入る。


「わかりません。

 普通の建物ではないのだけは確かなんですが。」


「俺にもわからない事だらけだが、彼らが何者なのか見当はついたよ。」


 そう言ってデニムは俺達の相談が終わるのを待っているべべ王の前に歩を進める。


「相談は終わったのかの?

 で、どうじゃ我らのクランに入団する件は。

 わしも無理に入団を勧めるつもりはないから断りたければ断っても文句はいわんよ。」


「いえ、その前に確認したい事が……」


 デニムは四人に向かって問いかけた。


「あなた方は、異世界からこの地に召喚された勇者様なのでしょうか?」

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