第12話
11.君と僕の終わらない世界
真夜中。
こんな時間に目を覚ますことはあまりない。
それだけ、数日の出来事が鮮烈で、ショックたったのか。
ぐしゃぐしゃになった感情の直し方を教えてほしい。
僕はどうやら狂ってしまったらしかった。
それはいつからか。
あの少女に出会ってしまったからか。
僕の絡まった心を解ける人間はきっとどこにもいない。
少女に心を許し、少女の存在に甘えた。
僕のせいで僕は君に会う前よりもずっと苦しんでいる。
少女にとっては、言われのない感情だとわかっている。
少しでも柔らかい感情を抱いてしまった、僕が悪いのだ。
だけど、僕は君が大切だった。
いつか君の言ってた夢が僕の夢にもなっていた。
大切な人を僕だって守りたい。
そっとペンを取った。思いの丈を僕は書き綴りたかった。
そう思うと決まってインクが出ない。僕はそのことが気に食わなくて、インクの出ないペンで紙切れに書きなぐってやった。
「君を思えない日々に、僕の意味なんかあるわけないじゃないか」
僕は日付が変わるその日を、生きることはなかった。
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