第7話 転校

転校前の学校を話に出す気はありません。



「うぅー、緊張する。」

「大丈夫よ。越ヶ丘はそんな厳しい学校じゃないんだし。」


今日は元いた学校から越ヶ丘高校に転校する日だ。元いた学校は校則が厳しいので転校することになったのだ。越ヶ丘はそこまで家から遠くなく、電車で15分ほどだ。


「よし、それじゃあ行ってきます。」

「いってらっしゃい」


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学校に着いたらまず職員室に行けと言われている。

事前にもらった校内マップを見ながら職員室に着いた。

「失礼します。天野先生はいらっしゃいますか?」

「はい、ああ武田くんですね。お久しぶりです。じゃあそろそろ朝のホームルームだから行こうか。」

「はい」


実は転校の手続きとかで何回も会っているのだ。そんなことを考えていると教室に着いたらしい。


「はーい、みんなホームルーム始めるよ。今日は実は転校生がいます。」

「へぇー」

「えー、またかよー」

「2日連続やん」

「はいはい、静かに。武田くん入ってきて。」

どうやら俺の出番らしい。

「じゃあ自己紹介お願いします。」

「武田峻輝です。趣味は絵を描くことと、料理することです。よろしくお願いします。」

「はい、じゃあよろしく。武田くんはあの席ね。」


やはり芸能コースともあって半分ほどはいなかった。

友達はいなくてもなれっこなので、大丈夫だが、少しぐらいは話しておいたほうがいいだろう。隣の女の子に話しかけてみよう。


「武田です。お願いします。」

「私、霍田。霍田京子。よろしく。」


会話はここで終わってしまった。やはり俺は話すのが苦手らしい。


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眼鏡を落とすと俳優になれるらしい あぶらあげ @aburaage0319

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