第四十五話「無邪気な太陽神」


ジンと別れた都市長アポロンは後ろに騎士を連れながら帝国首都をスキップしながら共生国家の者たちを捉えて回っていた。


「アポロン様、この周辺で騒ぎを起こしているのはこの者で最後のようです」


「なーんだ。僕の方はあんまり強い人はいなかったねー」

アポロンは手を頭の後ろに回して、退屈そうに小石を蹴る。


「どうしよっか?ジン様の所に戻る?」

「それがよろしいかと」


アポロンは連れている騎士に質問し、騎士は丁寧に答えた。

そんな時、アポロン達の上空を強い光が覆った。そして…


ドゴォォオオオン!!!


大きな爆炎が起きる。


しかし、アポロン達は全員無傷でその爆炎を各自で防いでいた。


アポロンは魔術の放たれたであろう上空を見ると一つの人影があった。


その者には白い翼が背中から生えており天使の輪を所有しているカエルのような顔をした男だった。


「ギャハハハ!今のを避けるとは意外とやるではないか!」

カエル顔の男が叫ぶ。


アポロンは少し無邪気に聞く。


「君は誰なのー?」


「我か?我の名はチョウセ!十二使徒であらせるユダ様の一番の従者である!」


「へぇ〜!すごいんだ!」

アポロンは無邪気に手を叩きながら言う


「そうだ!我はすごいのだ。貴様よくわかってるではないか!我の部下にしてやっても良いぞ?」

「え?やだ!」

アポロンは嫌そうな顔をして即答する。


「なに?」


「だって君、すごいんだろうけど…弱いんだもん」


アポロンに弱いと言われたチョウセは青筋を立てて苛立ち始める。


「十二使徒であらせるユダ様の従者である我が…この我が!弱いだと!お前など消し炭にしてくれるわ!第四階梯・炎槍バーニングランス!」


チョウセによって30本近い本数の炎の槍が放たれる。


「へぇ〜君も得意な属性が炎なんだね」

アポロンも同じように炎の魔術でチョウセの魔術を相殺する。


空中で炎同士がぶつかり花火のように弾ける。


「な!貴様もやるではないか。我の炎槍バーニングランスを同じ魔術で相殺するとはな」


チョウセは驚いたが驚きを隠すように言葉を発する。


「君もやるね〜!まさか君の第四階梯の魔術が僕の第一階梯を相殺するとはね!」



「は!?」


チョウセは顔を歪ませて驚く。驚きを隠せていない。


「き…き…きさま…何を言っているのだ。貴様の使った魔術が第一階梯だと…?」


「そうだよ!僕が使ったのは第一階梯・灯火だね!」


アポロンは人差し指を立てて第一階梯・灯火を発動させる。指先に小さな炎をが灯る。普通、灯火という魔術は周りを照らすためだけの魔術だ。それを攻撃魔術に変え第四階梯の魔術を相殺するなどあり得ない話なのである。


「僕の方が炎魔術が得意だからね。この魔術でもそれなりに威力があるんだ〜天使程度では勝てないよぉ」


「我は上位天使の中でも随一の炎魔術の使い手なのだぁぁあああ!!!!!第五階梯・炎天使の鎧!」


チョウセの体を炎の鎧が覆う。


「ハハハハハ!この鎧は炎魔術を無効にし、我の炎魔術は強化するのだ!これで終わりだ!多重詠唱!第五階梯・蒼炎槍ブルーバーニングランス!!!!!」


数百に及ぶ大量の青白い炎の槍が空を埋め尽くす。チョウセは無理をしているのか血涙が流れている。


「くらえ!!」

チョウセが手を振り下ろそうとしたその瞬間。


「太陽神の息吹」


「なっ………」


アポロンの掌から大きな蒼炎がチョウセとチョウセの魔術を一緒に飲み込んだ。


「ごめんね!僕は神の中で一番炎魔術が得意なんだ〜!バイバイ!天使さん」


神からすればチョウセなど蟻以下の存在だったのだ。その後はアポロンが手を出すことなく周りの騎士が共生国家のものたちを捕らえていった。



          *



帝国首都上空


そこに翼を広げていたのは、十二使徒・大天使のユダだった。


「チョウセも死んでしまったのね。まぁあの子も、あの方のために死んだのだから本望でしょう。では、少し遅くなったけど本命に会いに行こうかしら」


ユダは翼をはためかせとある人物のいる場所まで飛んでいった。


視線の先にいるのは始帝国の王ジン・ファウストだった。

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