番外編2
閑話1「女子会」
ジン達が冒険者ギルドでごたついている頃
始帝国ファウスト・首都ヴァーテック
城のテラスでは女性都市長が女子会を開いていた。
テラスに居るのは4人の女性都市長
都市長統括「漆黒」アルトリア
黒髪を短く整え眼鏡をかけた美女で白い肌に黒いドレスを着ていてドレスの上からもその豊満な体がよくわかる。都市長の統括者だ。
都市長「獣神」レイラ
猫のような狐のような尖った獣耳に褐色の肌に白い紋様が描かれている、髪は短く切られてボサボサ、民族衣装のような際どい服を着ている。様々な獣の頂点
都市長「破壊神」ネメシス
金髪ショートで褐色肌、金の瞳は所謂ジト目で獣のようなギザギザした歯が見え隠れしている白い水着のような動きやすい服装をしている女性
都市長「影神」アイシャ
ジンの国の主に暗部を担当する都市長で、長身でスラっとした体型にピタッとした体型が見える様な服を着ている。黒髪で特徴的な銀の瞳を有している
の4人がテーブルを囲ってお茶をしている。
「アルトリア、あいつは後から来るのか?」
レイラがお茶菓子に手を伸ばしながら質問をする。
「そうね、あの子は少し遅れるって連絡もらったわ」
「ふ〜ん」
「ねぇ、アルトリア。その話はさておき、最近この国はどうなの?」
「ジン様のおかげで平和的に統治が進んでいるから、今のところ大きな問題はないわね」
アルトリアはアイシャの質問に答えながら角砂糖を一つ二つとティーカップに入れる。
「なぁアルトリア」
「なに?ネメシス」
「まだ戦えないのか?」
「また…そのこと?今は無理ね。共生国家が自暴自棄になって戦争を仕掛けてこない限り大きな戦いはないと思うわ」
「なんだよ!つまんねえなぁ」
すると、隣の席にいたレイラがネメシスのお茶菓子をそーっと盗む。
「あっ!レイラ何しやがる!返しやがれ!」
「いやだーー!これは俺のだ!俺の手にあるからもう俺のだ!」
「それは俺様が取っておいたやつなんだよ!返しやがれ!」
とレイラとネメシスがお菓子の取り合いを始めた。アイシャとアルトリアは諦めたのか、二人を無視して、お菓子を口に運んで紅茶を飲んでいる。二人は相変わらず喧嘩を続けている。そこに、割って入る者がいた。
『2人とも喧嘩をやめて、椅子に座りなさい』
その場に現れたドレスを着た女性の言葉で、
喧嘩をしていた2人は操り人形の様に喧嘩をやめて椅子に座った。
「あら、ルイン。ちょうどいい時に来たわね」
「すまない遅くなった。だが、タイミングが良かったみたいだな」
「ええ、私たちも2人に呆れてたところよ。それにしても、あなたの《絶対王命》も恐ろしいわね。主人以外の全てのものに抗えない命令を加えるのだから」
「そんなことはない、主様と比べたら足元にも及ばないさ」
そして、ルインと呼ばれた女性は椅子に座ってメイドに紅茶を入れてもらい。飲み始める。
そう、この女性も都市長の1人
都市長「女帝」ルイン
腰まである赤い髪をハーフアップにしている女性。薄紫の瞳で花のレースがあしらわれたシルバーホワイトの腰まであるスリッドの入ったドレスを着ている
「おいルイン!これ解除しろよ!」
「そうだ!そうだ!ネメシスはいいから俺への絶対王命を解除しろー!」
と2人は言葉とは裏腹に大人しく女性らしく椅子に座りながら、ルインに抗議する。
『2人とも、黙りなさい』
とルインが命令すると2人の唇がピッタリくっついて離れない。
「んーーー!!んー!!」
「んー!ん!ん!んーー!」
と2人は喋れないながらも抗議する。
「これでいいな、それにしてもジン様は今何をなされているんだ?」
「ジン様は他国で冒険者をしているわ」
「大丈夫なのか?護衛はつけているか?」
「大丈夫よ。都市長直下の部隊から数名出してるし、ゼウスもついてるもの」
「私の部下である《闇の影》から10名護衛に出している。安心しろ」
とアイシャがアルトリアの言葉に付け加える
「それなら大丈夫か…」
「それにしてもジン様は女性の姿でも美しいわ〜!本当に愛が止まらない!」
「はぁ…アルトリアのジン様好きは過剰」
アルトリアの言葉にアイシャがお菓子片手につっこむ。
「まぁいいじゃないか、ジン様を好きなのは私たちも一緒だろ?」
「まぁそうだけど」
ルインの言葉にアイシャは恥ずかしそうに答える。そして、レイラとネメシスは黙りながら、うんうんと頭を振っている。
「でも、アルトリアは異常。こないだ変装してジン様グッズを街で売ってた」
「本当なのか、それ…」
「私の部下に監視させたから本当」
ルインとアイシャ、レイラとネメシスのアルトリアへの視線が痛い
「だって〜ジン様がどれだけ素晴らしいか広めたくて…」
「ジン様に許可を貰ったのか?」
ルインの質問にアルトリアは黙って首を横に振った。
「「それはダメ!」だろ!」
その後は全員がアルトリアを説教し続けた。
そんな中でも、無理矢理ルインの命令から抜け出したレイラはお菓子をパクパク食べ続けていた。
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