第20話 人間が怖い

「なんで?零夏が他人なれすれば、この件は、上手くいくんだよ?」

私は、再度、首を横にふった。

「今さっき、ほんの一部分の記憶を思い出したんだ、その記憶と、しっかり覚えてる私がこの姿になったあとの記憶に、問題があるんだ。」

鈴と慶一は、首をかしげた。

心夏は、分かっているようだった。

こんなこと、本当は、知られたくない。

「実はね、私、小さい頃、あと前世の時代に、いじめを受けてた時期があったんだよね。

多分、鈴と慶一に会う前に。

だから、それ以来、人間不信になって、それで、ずっと1人だったんだ。」

 私は、自分の言葉で、こんな暗い過去の話をしたくなかった。

この事があったのは、心夏にあって、2・3年後の話だ。

「それじゃあ、なんで、俺らに話しかけることができたんだ?」

慶一がしんみりした顔で、ゆっくりと聞いてきた。

「それはもう、勇気も必要だったけど、2人は、なにかが違うような、自分と同じような気がしたからだと思う。」

「そうか,,,,,」

慶一のその言葉は、とても重く感じた。

「この話は、もうやめよう。零夏

あなたは、もっと自分を大切にしないと,,,,,」

その言葉を聞て、私は、心夏に話すのをやめさせた。

これ以上私のことを知られたくないから。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る