第21話 人間不信解消

「そっ、そういうことだから、クラスに馴染むのは、無理かな?」

鈴と慶一が心配したかおで、見つめてきた。                見つめられても、できないことは、できないのだ。

あのときのように、失敗をおかいたくないのだ。

「それじゃあ、今日は、解散しようか。」

心夏がそう発したあと、すぐに解散した。





「ありがとう、心夏。

ごめんね、でも、"あの話"は、もっとあとにしてくれる?」

"あの話"というのは、私が人間を苦手になった、もうひとつの理由だ。

「零夏、本当に無理しないでよ。」

そんな話をしながら、夕飯を食べている私達だった。





~次の日~

 やはり今日も、周りからの視線がかなり気になる。視線が気になりすぎて、段々気分が悪くなる。

そんなとき、後ろから、私の方に駆け寄ってくる足音がした。

ポンポン、肩を叩かれた。

「零夏ちゃんだよね、心夏ちゃんと身内関係って、ほんと?」

 私にそう聞いてきたのは、クラスメートの

橘 阿嘉願(たちばな あかね)だった。

 阿嘉願は、双子の橘 明莉

(たちばな あかり)と違い、コミュニケーション力がかなり高い。

「えっ?あっ、うん、そうだけど、それがどうかしたの?」

「イヤー、結構学年で噂になってて、本当だったら、零夏ちゃんとも、仲良くなれるかなぁと思って。」

 そんな噂がたっていたなんて、でも、好都合だ。

 クラスの陽キャと、仲良くなることで、クラスからの視線を気にしなくてもよくなるんじゃないか?

それに、私から話しかけた訳でもないから、合わせる必要がない。

そう考えながら、私は、

「話しかけてくれてありがとう。今日も、頑張ろうね。」

そう言った。

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