第14話 記憶の一部
犯人の手ががりが見つかってから、1週間がたった。
あれ以来、私の記憶も、戻ることがなく、任務が全然進まないのだ。
「もう、こうなったら、本を探すしかないのか?」
私の机の前の席である、慶一が、そう言ってきた。
「まぁ、任務が進まないからね。
本を見つける方が早いのかもしれない。」
鈴が慶一に続けて、言ってきた。
二人の意見も、一理ある。でも、何か、引っ掛かる。
私の本を持っていった人は、この事を知っていて、洋祐さんとも、知り合いだ。
私の知り合いの知り合いだってことは、何か、変な縁のようなものでもあるのではないかと思った。
「零夏、話聞いてる?」
鈴が私の顔を、覗きこんできた。
「あっ、ごめん、全然聞いてなかった。
ちょっと考えてて,,,,,」
鈴があきれたような顔で、忠告してきた。
「考えてて、じゃなくて、知っかり、この任務のことを考えて、一番重要なのは、零夏が、しっかり、記憶を思い出せるかなんだから!」
そうだ。
この任務の鍵は、私が握っている。
私のやり方次第で、彼らの運命が変わってしまうんだから。
何かを、思い出した気がした。
でも、その記憶は、つかむ前に、消えてしまった。
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