中編①
家を出ると、シンデレラの横にまた別のステッキを持った女性がいた。
「私は、女神じゃ」
いきなり?!おっさんみたいな喋り方だなぁ。
「それと、これは魔法の杖じゃ」
あ、杖なのね。杖・・・・・を、おっさん女神が一振りした。
「それじゃあ、対決のことを話すぞい」
姫花は、真っ白の何もない世界に立っていた。てか、ここどこ?!
「今から、ここを城にするから」
といって、おっさん女神がステッキ、いや杖を振ると童話のような城に変わった。
「というわけで、私は烏丸君が好きになった。だから、これからする対決は・・・・・どっちが烏丸君の彼氏にふさわしいかを競う対決よ。ほら、ここに王子様がいるでしょう。この王子様は烏丸君の魂なの。魂だけだから私たちのことは分からないけど」
シンデレラが意味不明なことを話した。
え?!まさかのライバル出現?!しかも、目の前のカッコいい王子の魂は烏丸君の魂?!どういうこと?!話が急すぎて理解ができない。
ただ、分かったのは彼の女の好みは烏丸君と一緒ってこと。それで、どっちがあの王子様に選ばれるか。選ばれた方が烏丸君を彼氏にする、ということ。
第一対決の始まりだ。最初の対決は、ダンスだった。
「簡単に言うと、この王子様と踊るのじゃ」
はぁ?!マジで急すぎない?そこから始まるの・・・・・。
「最初はシンデレラからじゃ」
慣れてるのか、言われる前から王子様の前に立っている。ガラスの靴をキラキラさせながら。シンデレラはマジで慣れているらしく、王子様と組み合って、クルクルと回っている。しかも・・・・・シンクロしてますよねぇ?!
「次は、姫花じゃ」
わわ私・・・・・。渋々、王子様の前に立つけど、緊張で足がすくみ、転んでしまった。
「おっと、大丈夫かい?」
優しく声をかけてくれる“響輝君の魂”だが。ああ、泣きそう。
私はそれから、めっちゃ荒れてた。
王子様が回ると、私は置いてけぼりにされてこける。王子様が右に行くと私は左に行って・・・・・で、全くリズムに合わないし、動作もぎこちない。私は何とかやり切ったが・・・・・。
「これは、シンデレラ君の勝ちだ」
王子様、ちゃんと状況は理解してるのね?てか、ま、ま・・・・・負けたー!!!!
今度は、別の場所へ連れていかれた。そこは、また真っ白な空間。でも、地面や家具などがたくさん置いてあった。山ほどの・・・・・。
「次は、美部屋対決じゃ」
美部屋?
「ここにある様々な家具を使って、自分の部屋を作れ。美しい部屋はおしゃれの元だからの」
なんかよくわからん理屈だが、響輝君に認めてもらうためだよね!
「ヨーイ、スタート!」
あわわ、もう始まっちゃった?
シンデレラに一歩遅れて、私は走り出した!!
ひとまず、ゴージャスなピンクのベッドを端っこに置いて。それで、ベッドの隣の壁には熱帯魚の水槽を置いて。それで、勉強机はピンクのものをベッドの反対の壁に置いて、カーペットはフワッフワの赤。そして、召使いさんに手伝ってもらって高級シャンデリアを付けてもらって・・・・・。
出来た!!!!シンデレラはすでにできたらしく、スタンバイしてた。
「それでは見てみよう。最初は姫花だね」
姫花の部屋はひたすらゴージャスで、ピンクな部屋。キラッキラだよ~!
「なんか、騒がしくてうっとおしいな」
ウソ!
「シンデレラの部屋は?」
と王子様と私が覗く。シンデレラの部屋は普通の一般人っぽいけど、めっちゃオシャレな部屋だった。小6女子みたいな部屋だったけど・・・・・。
「いいね。シンデレラの勝ち!」
ヤバい!!ヤバいヤバい!!
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