VSシンデレラ

DITinoue(上楽竜文)

前編

 ヨーイ、ドン!!先生の声で、私は猛ダッシュを始める!!!!

今は、体育の時間で50m走だ。私は超得意だもんね。どんどん加速して、ペアの子を引きはがしていく。ゴールに着くと、私は得意げにニッと笑った。


私の名前は、河村妃花!小学6年生でっす!性格は、まあまあ陽キャ!!運動はできる方!!勉強はクソです。カッコ笑が文章だったらつくんだよ。はいどうでもいいことですね、すんまそん。


ちょっと、悩みを話すと・・・・・現在片思い中なんです。相手は、学級委員長で勉強、スポーツ、性格、顔全部完璧な子、烏丸響輝君。

家は近所で、よく遊んでた。あの頃は楽しかったなぁ。響輝君は色んな面で私を置いてけぼりにしていった。私が何とか勝てるのは明るさくらいか・・・・・。


でもね、でもでも、私はもう少しで響輝君に選ばれそうなの!!響輝君は女子が嫌いで体で好きを表すと、どんどんフッていく冷徹な子だから。それでも好きな子は多いから厄介だけど・・・・・どうせフラれていく。で、私はかなり前からそのスキですアピールをしてたんだけど、響輝君は何も言わず、快く話してくれる。そして、たまに顔を赤くするからかわいいのだ。そして、そのたびに勝ちを予感する。


 というわけで、前、神様にお願いしたのが・・・・・「響輝君から告白させてほしい」ということ。私から告るのは嫌な予感しかしないから、どうにかイエス様に響輝君を誘導してほしいってこと・・・・・どうすれば叶うのかなぁ?


まあ、今日も忙しい学校生活が終わった。もうね、就寝までの過程は・・・・・ゲームしてテレビ見て、夜急いで宿題したっていう内容だから、ちょっとその話は置いときますねぇ・・・・・。

布団に入って、しばらくすると、私はなんかちっちゃい本持ってた。

「この本を開け。そして、全て読め」

いいい、イエス様?!いや、マリア様か?!誰でもいいけど・・・・・。

私は言われたとおりにちっちゃい本を開けると、ちっちゃい女の子の絵があった。そこから、さらに読み進めると、魔女というか女神のような人、かぼちゃの馬車、舞踏会、ガラスの靴と王子様・・・・・読み進めると、少女が王子様とケッコンしてた。


ここで問題!この物語はなーんだ?

①白雪姫②人魚姫③シンデレラ

正解は・・・・・シンデレラです。うん、大体の人は正解だよね。

って、なんで?童話じゃん。小6に童話ってどういうこと?イエス様じゃなくって、裏切り者のユダかな?はぁ、期待して損した。


 次の日の起床のときには完全に夢のことなんか・・・・・覚えてたんだけど、もう信用してなかった。

「おはよう、姫花。響輝君がもうそろそろ来るよ」

「分かったぁ・・・・・って急げ!!」

響輝君はいつも、私をお迎えに来てくれる。そのたびに、色んな話をして、響輝君ファンからは冷たい目で見られたりもするけど・・・・・冷たいのは響輝君の方。そんなファンなんか焼却したいとでも思っているらしく、私はなんかファンのみんなに同情してしまいながらも、一緒に登校するのだった。


よし、朝ごはんも済ませたし、行くぞ!と思ったとき、ピンポンが鳴った。

「おはようございます、姫花さん。あ、初めましてからか」

響輝・・・・・君?女装してるの?なに、気持ち悪いんですけど。

「私は転校生の振出例良シンデ レラって言います」

振出さんね。変わった名前。しんでれらさん・・・・・シンデレラさん?!

「はい、そうです。あなたが察した通りです。今日、あなたは学校が休みになっています。そして、これからあなたと私は真剣勝負を繰り広げることになります」

何々なに?!シンデレラと勝負?!何を言ってまんの?!わけわからずたじろいでいたら、家の中にシンデレラが入ってきた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る