第4話 教えて、お金の稼ぎ方
プリンを仲間にしてからしばらく、私たちは森でウサギ狩りをしてお金を稼ぐことにした。
「ぷ!」
なにか野生の勘でも働くのか、うさぎに気づくのはいつもプリン。
「任せて!」
それに応じて私は弓を構えて、射る。
MISS!
「あ…」
まぁ、たまには外れることもある。
「ぷぷ!」
巨大うさぎの飛び蹴りをプリンに防いでもらいつつ、二の矢を放つ。
HIT!
そして鳴り響くファンファーレ。
「ふぅ」
ウサギは、百発百中とはいかないが、危なげなく狩を続けられるくらいの相手だった。
●◯●◯●◯●◯●
少し西の空が赤みを帯びてくる頃、街に戻ることにした。
「夕飯とホテル代は稼げたと思うから、帰ろうか、プリン?」
「ぷぅー♪」
あれ、ホテルってプリン大丈夫かな?
まぁ、クッションとして持っていけば…大丈夫かな?
●◯●◯●◯●◯●
「仲間にしてるモンスターなら大丈夫よ、宿帳に記録はしておいてね」
宿屋の女将さんがすんなりとプリンにも宿泊許可をくれたので一安心。
でも、ホテル代が思いの外高かったから夕飯は節約しないとかなぁ。
ガサガサと鞄に財布をしまいながら考える。何故かウサギが落とした爪だの毛皮だので鞄は膨らんでいるが、肝心のお金は寂しい。
「それにしてもお嬢さん、ずいぶんたくさんバルーンラビットを狩ったみたいだねぇ。その量だと換金したらそこそこになりそうだけど、まだ換金しに行かないのかい?」
なんですと?今、何かおいしいこと言った?
「あの!私ここにきたばっかりで色々わからなくて…換金のこと、教えていただけませんか?!」
「おや、お嬢さん、来たばかりだったのかい。そんなにたくさん狩りをしてるから慣れてるのかと思ったよ。
換金はね、モンスターを倒すと落とす素材、ウサギなら爪とか皮だったりだけど、モンスターによっては殻だったり牙だったりをギルドに売ることだよ。
ギルドの受付時間が夕方5時までだから今日はもう終わっちゃってると思うけど…朝は9時からやってるから行ってみたらいいよ」
なんと、この鞄の荷物はお金になるのか!
今日は間に合わないにせよ、明日にはお金になるなら無理に節約しなくても大丈夫そうだ。
「おばさま、ありがとうございます!おかげで今夜のご飯は美味しくたくさん食べられそうです!」
「あはは、なんだい、節約しようとしてたのかい?うちのご飯もおすすめだから、しっかり食べておいき」
●◯●◯●◯●◯●◯●
「ふぅ…食べた、美味しかったぁ」
結局オススメ定食の他にデザートまで食べてしまった。だって美味しかった。
定食は甘めな生姜焼きで、付け合わせの野菜がシャッキシャキの新鮮さ、これがまたタレによく合うのでついつい手が止まらなくなる。そしてスープはベーコンと豆と野菜がくたくたになるまでじっくり煮込まれていて旨味たっぷりだった。満足したー、と思ったけどデザートメニューのアップルパイのアイス乗せを見たらほかほかの口の中にひんやりをお招きしたくなり…結局食べてしまった。ダイエットは明日から、うん、名言だよね。
そんな幸せな満腹感に包まれながら、私は気づくとぐっすり眠っていた。
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