雷光

 ボルトックも複数の英傑を相手にし勝利を納めた。


「最初に現れたやつと比べれば大したことのない奴らだな。所詮は数だけということか」

「なら、この俺様の召喚獣を相手して見ろ!」


 英傑の一人マジアは魔法使い。魔法陣を発生させそこに巨大なゴーレムを召喚した。仲間さえを踏んでいきボルトックを襲う。軽く攻撃を交わすが見た目によらず俊敏な動きをするゴーレムはボルトックを掴んだ。


「ほう、意外とやるじゃないか」

「その状況で余裕ぶってるなんてこれだからおっさんは嫌いなんだ。そのまま死んでしまえ!」


 ゴーレムがボルトックを握りつぶそうとした瞬間、岩の手が粉砕する。電撃を帯びゆっくりと着地するボルトック。その姿は神話に登場する雷神のごとく。


「まだ不完全だが、俺もマグナさんのように制約解放の先にたどり着いた。召喚獣は確かに強力だが、今の俺には大した問題ではない」


 天高く槍を掲げると、雷雲が現れ周囲へ電撃の雨を降らす。


「お前にはどでかいのをくれてやる。サンダーボルト!!」


 戦場の全体に響き渡る轟音と共に閃光が放たれゴーレムに落ちる。

 ゴーレムの体はボロボロと跡形もなく崩れ去った。


「な、なぜだ。スバラシアの戦力は低いはずなのに」

「兵力と戦力を間違えるな。数はなくとも力はここにある!」


 マジアをごと周囲の魔法使いに電撃を浴びせ完全に倒しきったのだ。

 すると、疲弊したウォースラーが後ろにやってきたい。


「やっほ~。がんばってるねぇ~……」

「お前にしては随分つかれているな」

「出来上がったばかりの技いっぱい使っちゃったからね。ちょっと手を貸してよ」

「一掃するんだな。いつでもいいぞ」


 ウォースラーは大海原のような波を発生させジャクボウ兵士たちの足を止める。すかさずボルトックは強力な電撃を発生させ大量の兵士をたった二人で沈黙させた。


「お前は姫様のもとに行き回復してもらえ」

「いいのかい? まだ結構残ってるけど」

「この状況で命を懸けずいつ懸けるんだ。だが、なるべく早く戻ってこい。俺もいつまで魔力が続くかわからん」

「すぐにいってくるよ」


 ウォースラーの背後を狙い矢が放たれる。電撃ですべてを破壊し槍を構えた。


「ここからは一歩も通さんぞ!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る