冷徹な水氷
お互いの戦力がぶつかり合い戦場に轟音が飛び交う。空中からの攻撃をミーアがバリアで防ぎ、空中戦力に対してはレイとウィークで立ち向かった。地上では三騎士の一人ウォースラーが普段の飄々とした表情ではなく、氷のように冷たい表情で戦いを進める。
「アイスドロップ!!」
大量の氷塊を地上部隊に落とし一掃。水で窒息させ氷で動きを封じ、目にもとまらない俊敏な動きで次々と急所を貫く。常に大量の相手に魔法を放ち少しでも後方の部隊に行かせないよう立ち回る。
だが、そこに英傑の三人が立ちはだかる。相手も三騎士を野放しにしているといくら兵がいても足りないことに気づいたのだ。
「てめぇの首をもらうぞ!!」
「遅いよ……」
ウォースラーが一突きすると、相手は瞬時に体が凍り、もう一度突くと粉々に砕けた。
「な、なんだあいつ。我らが英傑の一人ダムを一瞬で……」
「さぁ、次どうぞ」
「冷酷な人間め。氷には炎だ!」
英傑の一人炎の剣を扱うブレイは剣と全身を炎に包み氷攻撃の対策をした。しかし、その対策もウォースラーの前では一切の役には立たない。進もうとしたとき、すでに足は氷により地面から離れなかった。
「ど、どうしてだ! 炎で溶かせるはずだろぉ!」
「なぜ僕らが三騎士と呼ばれるのか。君らみたいに十二人もいないのか。簡単なことだよ。――強すぎるからさ」
足を拘束していた氷はすぐに体全身へと回り、完全に沈黙した。
もう一人の英傑はその状況を見て恐れを抱き後ろへ倒れた。
「や、やめて……。投降するから……」
すると、ウォースラーは英傑の一人バミアンを蹴り飛ばしうつぶせにさせると鎧を破壊し首元を見た。そこには刻印が施されている。
「悪いが刻印を与えられた人間は生かしておけない」
「ち、違うの! これは優秀な兵士に与えられるもので!」
「何も知らないならそのほうが幸せかもね」
「いやぁぁぁ!!」
頭を一突き。
深呼吸をし再び大群へと立ちむかう。この状況下でも空の状況をしっかりと把握し、カナリアから情報を得て大雑把に空へと氷柱を飛ばし竜騎士たちを撃墜していく。
「レイ、ウィーク。少しだけ離れてて」
「何をするんだウォースラー」
「レイならわかってるでしょ。こうするんだよ!」
槍を地面に刺すと鋭利かつ巨大な氷の柱が無数に地面から伸び、空飛ぶ竜騎士を竜ごと貫いた。
「あいつ、あんな能力をもっているのか」
「三騎士は森のような環境を壊せない場所では本来の能力は使いづらい。戦場でこそ力が発揮されるのよ」
氷の柱を地面から射出し、そのまま二隻の空船へと飛ばす。一隻は地上攻撃をしてたためにバリアの展開ができず中央に直撃。もう一隻はギリギリでバリアを展開し防ぐが、バリアの展開に魔力を消費し氷の攻撃でバリアの再展開ができないほどに追い込む。
「さすがに魔力を使いすぎたかな」
だが、敵は待ってはくれない。魔力を消耗したウォースラーへと敵が押し寄せる。
「いいよ。姫様のためなら柄じゃないけど本気で全員倒す」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます