第63話商都攻略戦前夜
王宮を出る前に僕はミラに面会するために近衛団の詰所を訪問した。
詰所前の扉には護衛の兵がいる。
小柄な少女で帯剣はしているものの鎧や兜は装備していない。
新しい近衛団は彼女らのような少女たちで結成されている。
王女の身辺を警護するためにうら若き少女たちで結成されたのだ。
そしてミラはその新生近衛団の団長をつとめている。
僕はその近衛兵にミラへの面会を求めた。
「申し訳ありません。ミラ閣下は大地母神へのお祈り中で、今は面会はできません」
その少女兵は言う。
「そのお祈りはいつ終わるのですか?」
少しの間なら待とうと思う。
「それは私にはわかりません。ミラ閣下の祈りは数時間にもおよぶことがありますから」
少女兵は小さな顔を左右にふる。
「わかりました。ではこれをミラに渡して下さい」
僕は少女兵に手紙を手渡す。
その手紙はあのラピュタ城での出来事を僕はまったく気にしていないという内容を書いたものだ。ミラは大切なアルタイルの仲間だとも書いている。
手紙には自分の尾を噛む円形の蛇の紋章で封をしている。あの蜜蝋で封をするのを一度やってみたかったんだよな。
これは僕が考えたアルタイルの紋章だ。ウロボロスをデザインしたものだ。
「かしこまりました」
少女兵はその手紙を受けとる。
今日はまあ仕方ないか。
またの機会をみつけるしかない。
アルタイル屋敷に戻った僕は先に戻っていた麗華たちと夕御飯を食べることにした。
麗華とアヴィオール、雪とイザールたちでテーブルをかこむ。
夕御飯はシチューにパエリアのような米料理、チキンのグリルにサラダとかなりのボリュームだ。それにデザートに果物が並ぶ。
シチューは肉がよく煮込まれていて、柔らかでうまい。チキンは皮がパリパリで肉はジューシーであった。
アルファルドさんもハンナさんに負けないぐらいの料理上手でいつも美味しい料理を用意してくれる。
彼女がアルタイル屋敷にいてくれて本当によかった。
「それで次にどの街を攻略されるのですか?」
アルファルドさんが僕のコップに水を注ぎながら訊く。
「そうだね、商人の街パーシバルにしようと思う。あの街を解放すれば王国はさらに経済的に潤うと思うんだ」
僕は答える。
「そうね、あの街がこの国の金融経済の中心地だということだから妥当なとこね」
麗華が賛成する。
「私はモードレッドでもよかったんだけどね。まあ、パーシバルが順当かな」
イザールが言う。
イザールの出身地がモードレッドらしいのでその街には思い入れがあるようだ。
「私は燐君がきめたことならそれに従うわ」
雪がパエリアをぱくりと食べる。
「かしこまりました。私たちはアルタイル卿と行動を共にいたします」
アルファルドさんが言う。
天狼族の権利を獲得するためには街を一つ解放しなくてはいけない。
難題に違いないがアルタイルの仲間が力を貸してくれるなら、なんとかなるかもしれない。
今回、正規軍である百鬼軍を頼ることは難しそうなので、僕たちアルタイルががんばるしかない。
この場にミラがいてくれたらどんなに心強いことだろうか。
しかし、彼女も今や近衛団の団長であり、簡単に動くことはできないのだろう。
残念だが仕方ない。
いつかミラとのわだかまりみたいなものがとけるといいな。
アルファルドさんの美味しい料理を堪能したあと、僕は自室で休むことにした。
ベッドで寝転がっていると麗華が部屋に入ってくる。
するすると服を脱ぎ捨て、素っ裸になる。
いつ見ても麗華のJカップのおっぱいの存在感は素晴らしい。
麗華は僕の下半身にまたがる。
そのきれいな顔を近づけ、口づけする。
柔らかくて、甘くて、気持ちいい。
僕は麗華のJカップロケットおっぱいをゆっくりと揉む。ずぶずぶと指が沈む感覚が心地よい。
「明日からまた戦いが始まるのだろう」
麗華は言う。
「うん、そうだね」
僕は言い、麗華と舌をからめあう。お互いの唾液を飲みあう。
僕の唾液には魔獣マンドラゴラの体液がまじっているのでそれを飲むだけで女性はとんでもない快楽をえられる。
ご多分にもれず、麗華もこれがくせになっているようだ。
まさに魔薬のような効果がある。
「あの子のことは忘れたほうがいいわ。燐太郎には私がついているじゃない」
麗華は言い、僕の下半身のすでにガチガチになったものを自分の体内にいれる。
僕のものの先端が麗華の体の奥底にあたる。
「あふんっ……気持ちいいわ、燐太郎」
そう言い、麗華は腰をふりはじめる。
すでにウロボロスの力で快楽指数は千倍にしてある。
麗華の左乳房に浮かぶヤマタノオロチの紋章が淡く輝く。
この光は僕と麗華の絆の証明だ。
僕との獣属契約の印なのだ。
この印がどんな力を発するかはまだわからないが、エウリュアレはそれぞれに特異な力が与えられると言っていた。
絆を深めれば深めるほど、その力は増すのだという。
やがて僕も麗華の肉の締めつけにたえられなくなり、絶頂をむかえようとしていた。
麗華もよだれをたらしながら恍惚とした表情を浮かべている。
「麗華、い、いくよ」
我慢の限界をむかえた僕は麗華の子宮の奥深くにたっぷりと射精する。
まったくもって千倍の快楽は素晴らしい。
頭がぼんやりして何も考えられない。
麗華もその特大巨乳を僕の顔におしつけ、絶頂に達した。
交わりの快楽に疲れきった僕たちはお互い抱きしめあいながら、眠りについた。
翌朝、僕たちは天狼族の夜営地に赴いた。
僕と麗華、アルファルドさんにアヴィオール、イザールに雪というメンバーだ。
そこで僕は天狼族が王国で確固たる地位を得るためには第三の都市を取り戻すことが条件だと告げる。
「のぞむところよ」
腰に円月刀をぶら下げたロボが言う。
「そうか、さらなる功績をあげ、自身の地位を獲得しろということか」
狼顔の蓮はうなづく。
「ところで、その作戦、拙者も参加させてもらえないかな」
聞きなれた声がした。
天狼族のゲルに入ってきたのはなんと瑞白元帥であった。
「今回、拙者は百鬼軍の指揮官としてではなく、一人の剣士としてご助力いたす所存」
ふふっと瑞白元帥は微笑む。
これは心強い。
彼が参加してくれれば千人力だ。
僕たちアルタイルは選りすぐりの天狼族の戦士二十名と共に商人の街パーシバルを取り戻すために出陣した。
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