第48話潜入ラピュタ城

墜落の衝撃で頭がふらふらする。

それでも麗華に抱きかかえられ、なおかつアヴィオールの背にのり着地できたので、これぐらいのダメージですんだと思われる。

「ご主人様、お怪我はありませんか?」

ロリ巨乳の姿になったアヴィオールがかけより、僕の頭に抱きつく。

うーん、アヴィオールの巨乳もたまらなくやわらかいな。

あれ、アヴィオールの鱗の部分がビキニタイプになっているぞ。

前はレオタードの形に残っていたのに。

まあ、今はこんなことを気にしている場合ではない。

他の人は大丈夫か?


「燐太郎、大丈夫?」

美少女が僕の顔をのぞきこむ。

それはもちらん僕の大好きな麗華だ。


「うん、大丈夫だよ。アルファルドさんは?」

僕は二人にきく。

回龍から放り出されたアルファルドさんは白目をむいて気絶していた。

よほど怖かったのだろう。

無敵とも思われた彼女が高所恐怖症とは。

意外な一面もあるんだな。


そのアルファルドさんが僕の目の前にいつの間にか立っていた。彼女はもと暗殺者。気配を消して近寄るのは何よりも得意なのだ。

でも、いつもの冷静な白い顔が紅潮している。

「あ、あの……このことはご内密に……」

アルファルドさんが言う。

完璧人間のアルファルドさんにもこんな一面があるだ。なんだか、急にかわいらしく思えてきた。


「ここは?」

僕はきく。

どうやら無事にラピュタに着陸できたようだけどここはどこなのか?

それに他のメンバーはどうなったのだろうか。


「ここは飛空要塞ラピュタの外縁部分の東がわのようね」

冷静な分析は麗華だ。

「瑞白元帥たちは?」

僕は訊く。

「どうやら、私たちとは逆側に行ったようね」

そのJカップ巨乳の前で麗華は腕をくむ。


「燐君、ねえ、燐君聞こえる?」

その時、頭のなかに雪の声が響く。

これはあの洞窟で僕の脳内に語りかけたときと同じ魔法だ。たしか、淫紋をもつものと蛇の目スネイクアイをもつものをつなげる魔法だ。要は限定的なテレパシー能力だと僕は理解している。

今のところこれを使えそうなのはあとはイザールぐらいか。


「聞こえるよ」

僕は言う。

麗華たちが不思議そうな顔で僕を見る。

僕は雪の魔法でテレパシーのようなことができると簡単に説明した。淫紋のことは今は黙っておこう。


「簡単に説明するわね。私たちは燐君たちと逆のところに不時着したの。瑞白元帥もイザールもミラさんも皆無事よ。回龍は残念ながら、大破しちゃったけどね。それでね、瑞白元帥からの作戦案なんだけど偶然二手にわかれてしまったので、それを利用して挟撃作戦をとろうってことなの。私たちは西側から、燐君たちは東側からラピュタ城を攻略してほしいの」

雪が頭の中でそう説明する。

さすがは瑞白元帥だ。転んでもただではおきない。この状況からラピュタ城の攻略のことまですでに考えてあるとは。


「わかった。じゃあ、僕たちは東側からラピュタ城に潜入するよ」

僕は答える。

セオリーならここの城主は城の一番上にいるはずだ。ロールプレイングゲームとかならそれがセオリーだからね。

それがこの異世界アヴァロンでもそのセオリーが通じるかはわからないが。


「わかったわ。じゃあ、仮の合流地点をこの城の最上階にしましょう」

雪の声が頭の中に聞こえる。

「じゃあ、皆無事でたどりつけるのを祈っているよ」

頭の中で僕は雪に返答する。

このテレパシーのような話し方になれてきたな。相手が雪だから緊張しなくてすむのがいいのかもしれない。

「燐君たちもね」

雪は言った。

そこで通信はとぎれる。

僕は雪からの作戦を麗華たちに伝える。


「わかったわ。それでいきましょう。でも、どうして燐太郎と雪はそんな魔法を使えるのかしらね」

いぶかしげな顔で麗華は僕の顔を見る。

たぶん、雪とその特別な関係になっているのが気に食わないのだろう。

「さ、さあ……」

僕はとぼけてみせる。魔法のことは僕にはよくわからないやというとジト目で麗華は僕を見る。


「まあ、そのことは後日にしてまずはこのラピュタ城を攻略しなければいけませんね。ほら、あそこから入れるようですよ」

アルファルドさんが助け船をだしてくれる。


アルファルドさんが指さすところは外堀に囲まれた城にかかる石橋であった。

僕たちはさっそくそこに向かう。

外堀の幅は約二メートルほど。

中をのぞくと水が満ちている。

透明な水の底には魚などの生き物はいないようだ。

僕たちは慎重にその石橋を渡る。

麗華とアルファルドさんが並び、その後ろを僕とアヴィオールが続く。

アヴィオールは僕の腕に抱きつき、その巨乳に当てている。鱗の部分が少なくなっていておっぱいの肉の感触が直につたわる。

むふっアヴィオールのロリ巨乳もたまらんですね。


石橋をわたりきると鉄の門が見える。

麗華がためしに押してみるとコゴゴっと鈍い音がして鉄門が開く。

門を守る怪物や兵士はいないようだ。


城の中は薄暗く、視界は極めて悪い

アヴィオールが柱についていた松明を置く台から木材を手にとる。

それに口から小さな炎の息をはきかける。すると炎は木材にもえうつり、簡易的な松明となった。

それを先頭を歩く麗華に手渡す。


松明を持つ麗華は慎重に歩みを進める。

しかし、敵らしい敵はいっこうにあらわれない。

「もしかして、前の戦いでこのラピュタに住む怪物たちはあらかた倒してしまったのかもしれませんね」

アルファルドさんが言う。


僕もその意見に賛成だ。

だからこの城には人の気配も怪物の気配もしないのだ。

なら、この城の攻略自体はそれほど難しくないかもしれない。


僕たちが歩みをすすめるごとにオーディンの義眼に映るマップにはっきりと輪郭が描かれていく。

あれっ、もう少し進んだところに白い点滅が見える。これは生体反応だったはず。ちなみに赤い点滅は敵対する者の反応だ。

目の前に上に向かう階段があるが、僕は麗華の腕をつかんでその先に行くことを提案する。


「この先に生命反応があるんだ。もしかしたら、誰か捕まっているのかも知れない」

僕は言う。

「わかったわ、もし誰かいるのなら助け出してあげましょう」

麗華も賛同してくれた。

それはそうだ。彼女は正義の味方なのだから。


しばらく歩くと何者かの声がする。

誰かがいるようだ。

突き当たりに鉄格子が見える。

どうやら牢屋があるようだ。

そしてその中に何者かが囚われているようだ。

「あうんっ……うふんっ……あうんっ……」

それは女性のあえぎ声だった。

苦悶とも快楽ともつかぬ声であった。


麗華が手に持つ松明で中を照らす。

そこには白い肌の女性が鎖につながれていた。

彼女はその豊かな体に一糸もまとわぬ姿で囚われていた。

驚愕すべきはその白い肌に巨大なミミズのような生物が無数にまとわりついているのだ。

口や性器、肛門にいたるまで穴という穴に侵入している。

その生物は何度も出入りを繰り返している。

口の中のミミズのような生物は白い粘液をドクドクと流し込んだ。

それをその端正な顔だちの女性は無理やり飲まされた。

げほげほと白い汚液を吐き出す。

だが、ミミズの怪物は容赦なくその粘液をなおも注ぎ続ける。

それは股間のあたりを這いずりまわる怪物も同じであった。

流し込んだ大量の粘液が肛門と股の間から滝のように漏れだしている。


こ、これはもしかしてこの人は触手攻めにあっているのではないか。

僕が驚愕しているとアルファルドさんが口を開いた。

「あれはエスメラルダ様……」

どうやら囚われの美女はアルファルドさんの知り合いのようだ。



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