第44話ウロボロスの力

くちびるからこぼれる白い粘液を指でぬぐうとそれもペロリとイザールはなめとった。

「いっぱいでたね。燐さんの男の子液体、とっても濃厚で美味しいわ」

そう言うと、また咥えて尿道にわずかにのこる体液も吸い取る。

くすぐったくて気持ちいい。

射精後の快感に僕は、身を震えさせていた。

それほどにイザールの舌技は素晴らしいものであった。


踊り子という職業がらもとめられれば、夜の虹を編むこともしていたという。

「軽蔑するかい」

イザールは言う。

僕は首をふる。

ルイザさんもそうだけど、男の人を慰めるのはとても素晴らしい仕事だと思う。

世の中にはなくてはならない職業だ。

ただ、七柱の女神の教義からは外れるため、この国では眉をひそめられる仕事でもあるという。

僕個人はこんなに気持ちよくしてくれるのだから、立派な仕事ではないかと思うのだが。

「うれしい、やっぱり燐さんはそういう人だと思っていたよ」

彼女はそういうと僕の瞳をじっとみつめる。

「きれいな赤色だね。これってもしかして蛇の目スネイクアイなのかい?」

イザールはきく。

彼女は大事な仲間だ。打ち明けてもいいだろう。

「そうだよ。エウリュアレにもらったんだ」

僕は答える。

「へえ、やっぱりね」

そう言い、イザールは後ろをむく。

プリンとした肉厚のお尻が見える。

基本的におっぱい星人の僕だが、このプリ尻はたまらんな。

あれ、桃尻の右側に見たことのある紋様が。

これって雪の下腹部にあった淫紋と同じものではないか。

「星見の婆さんに刻んでもらったんだよ。私らはメドゥーサの紋様って呼んでるんだ」

イザールは言う。

「星見の婆さんが言っていたんだけど蛇の目スネイクアイを持つものはこのメドゥーサの紋様の力を完全に引き出すことごできるっていうんだよ」

彼女はそう言いながら、僕の下半身のものをつかむ。

ついさっき射精したばかりだというのにもう鉄棒のようにカチカチになっている。

これはあのチコの実の効果なのだろうか。

これは後日、研究の価値があるかもしれない。


「じゃあ、今度は私も楽しませてもらうよ」

イザールはにこやかに笑顔を浮かべ、僕の股間にまたがる。

僕たちはすんなりとつながり、僕の分身を根元まで咥えてしまう。

うわっ、これはたまらない。

大小さまざまな粒々が僕のものを包み込み、刺激を与える。

どうやら先端がイザールの体の一番奥にあたっているようだ。

「あんっ……」

短いあえぎ声がもれる。


この時、オーディンの義眼越しの視界に文字が浮かぶ。

ウロボロスを特技スキルとしてセットすると夜の女神の印を持つものとの絆を深めることができます。


これはどう言うことだろう。

夜の女神とはメドゥーサの別名だ。

その印とは淫紋のことだろう。

なら、絆を深めるとはどういう意味だ。

ものはためしだ。

やってみよう。


ウロボロスを特技スキルとしてセットする。

カチッとクリックするような音がする。

どうやらこの音は僕にだけ聞こえるようだ。


術者と夜の女神の印の所有者との感度は一倍から三千倍まで引き上げることができます。

文字が視界に浮かぶ。


感度三千倍ってどういうことだ。

あの気持ちよさを三千倍にできるのか。

いや、それはやり過ぎのような気がする。

まず手始めに百倍でチャレンジしよう。


視界にダイヤルが浮かび、100の数字に固定される。


「へっ、なにこれ。急にとんでもなく気持ちよくなってきたよ」

僕の上にまたがるイザールが声を上げる。

腰を上下に動かして、自分の最奥部を僕の先端でつく。

先端があたる度に悲鳴のようなあえぎ声をあげる。

「ひもちいいよ。当たるたびにいっちゃうよ……」

イザールは涙を流し、よだれをたらして腰をふり続ける。


僕の体にもこれまで感じたことのない快感が何度も押し寄せる。

これは射精をがまんするのがかなりつらい。

それほどにイザールの肉壁が僕のものをしめつける。

僕は手をのばし、イザールの乳房をつかむ。

手にすっぽりと収まるサイズだ。

みっちりと肉がつまり、いい手触りだ。

麗華のロケット超巨乳もいいがこのおわん型のおっぱいも格別だ。

それに今は感度が百倍になっている。

イザールはおっぱいを揉まれただけでオーガズムにたっしている。

「もうらめぇらめぇ。ひもちよすぎるよう」

涙を流し、いわゆるアへ顔でイザールは腰をふる。

どうやら、僕もそろそろ限界のようだ。

イザールの細い腰を両手でつかむとがっちりと固定する。

僕の物の先端とイザールの子宮の入り口が完全につながる。

僕はそれを感覚的に理解すると子宮の奥底へと向けて全力で射精する。


な、なんという気持ちよさだ。

どくどくと流れだす度に快感の津波が下半身から全身にかけめぐる。

「うわっ、気持ちいい‼️」

おもわず、僕も声をあげる。

それほどの快感だ。

まさに文字通り百倍の気持ちよさだ。

百倍でこの気持ちよさだ。三千倍となるとそれは未知の領域にちがいない。

「あふぅ。燐さんの熱いのが流れてくるよ。どくどくって私のなかで暴れてるよ。気持ちいい気持ちいい…」

ぐたっりとイザールは僕の胸に倒れる。

僕はイザールの口の中に舌をいれる。

僕たちはなおも舌をからめあい、唾液を交換した。


これがウロボロスの力か。

ちらりとイザールのお尻を見るとその淫紋が淡く光っていた。

百倍の快楽を得た僕たちはその後、泥のように眠った。


「魔神バホメット」「淫魔インキュバス」「メドゥーサの申し子」「夜の女神の使い」「魔法薬学者」の称号を獲得しました。

文字の羅列を見ながら、僕は気絶するように眠りについたのであった。

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