第38話 結成百鬼軍

 僕と麗華はオグマに伴われれ、王宮の訓練場にむかった。

 訓練場につくとそこに手をふるそばかすのかわいい少女がいた。神官のミラだ。

「おまちしていましたよ、燐太郎さん。ついに次の攻略目標がきまったんです。そこの会議室で瑞白元帥が待っていますよ」

 僕たちはミラの案内でその会議室に向かった。

 その会議室は広いものの無駄な装飾品のない質素な空間であった。中央のテーブルにこのアヴァロン王国の地図がおかれている。

 その地図を眺めている白髪の老人がいる。

 腰に日本刀をぶらさげ、白い髭をなでている。

 僕たちの入室を視認するとにこりと爽やかな笑みをうかべた。

「よく来てくださった、燐太郎殿」

 瑞白元帥は言った。


 次の攻略目標は職人の街ガヴェイン。

 その都市では日夜、熟練の職人たちが工芸品や民芸品、調理器具などの日用品、武器や鎧などがつくられていたという。魔王軍に支配されてからはどのような状態になっているかはわからいないが。

 そのガヴェインの街で作られる品々は大陸でも人気があり、かつてはアヴァロン王国の財政を潤すのにおおいに貢献したという。

 この街を取り戻すことに成功すれば、アヴァロン王国の国力をかなり回復させることができるであろう。

 職人の街は王都キャメロンの南東に位置する。

 瑞白元帥の計画では一度、交易の街ケイにたちより、そこから海岸線を北上し、そのガヴェインの街を突くのだという。

 直行せずに迂回するのは新生王国軍の訓練もかねるためだという。


 瑞白元帥は男女、身分の差など関係なく広く人材を募集した。

 その中から百余名を選出し、軍団を結成した。

 その名は百鬼軍。

 正真正銘、これがアヴァロン王国での最後の兵団である。

 その百鬼軍をさらに三つにわけ、麗華、ミラ、オグマが指揮することになった。

「燐太郎殿、いや、アルタイル卿には麗華殿の分隊に所属していただき、遊撃の任にあたってもらいたい」

 瑞白元帥は言った。

「私は燐太郎についていきたいいんだけどね」

 麗華は言った。

 しかし、麗華の指揮能力はかなり高いらしく、瑞白元帥のたっての願いで三分隊のうちのひとつを指揮することになった。

 麗華が率いるのはおもに平民出身のものたちからなる部隊であった。その部隊の兵士は麗華のことを戦女神であるバシュラのように崇拝していた。

 オグマが率いるのはかつての近衛軍や王国軍の生き残りで結成された部隊であった。

 ミラが率いるのはおもに女性や少年兵で結成させた部隊で後方支援にあたるという。もちろん、戦場では剣や槍、弓をとることもあるだろう。

「わかりました、必ずやガヴェインの街を取り戻しましょう」

 僕はいい、瑞白元帥の手を握った。

 瑞白元帥も僕の手を力強く握った。



 翌日、ついに僕たちは二度目の奪還作戦を決行することになった。

 また、ハンナさんやルイザさんが城門近くまで見送りにでてくれた。

 今度は救護院の子供たちも一緒であった。

 皆、口々に帰ってきてねと言い、大きく手をふった。

 僕はオリオンの背の上でルイザさんたちに向け、手をふる。

「騎士さま、今度も絶対帰ってきてね」

 大きく手をふり、ルイザが叫ぶ。そのご自慢の胸もよく揺れていた。

 必ず帰ってきて、また彼女の体を抱こうと僕は麗華にばれないように誓った。


 ヨーク村周辺まで軍を進めるとそこでその日は夜営をすることになった。

 ヨーク村の人たちが僕たちのために食料の差し入れをしてくれ、その日はなかなかの料理を口にすることができた。アルファルドさんが料理の腕をふるってくれたのもありがたい。

 今回、アルタイル小隊としてアルファルドさん、イザール、アヴィオール、真田雪が参加した。

 僕は一応、星騎士スターナイトという準王族の地位にあるということで小さいながらも個人の幕舎をあたえられた。

 簡易的なベッドで休んでいると誰かが入ってくる気配がする。

 その人物は小柄な女性であった。赤いローブを着ている。

 それは雪だ。

 

 雪はキョロキョロと狭い幕舎の中を見回している。

「雪、どうしたの?」

 僕は雪に声をかける。

「どうやら、鷹峰さんは来ていないのね」

 雪はそう言い、僕が寝ているベッドに腰かける。

「麗華は部隊の指揮で忙しいからね」

 その日も麗華と一緒に眠りたかったが、戦場ではそうはいかない。麗華もそれなりの立場になり、僕にばかりかまっていられないようだ。ちょっと寂しいけどしかたない。

「よかったわ。燐君にお願いがあるの……」

 そう言い、雪は僕の首に自分の手をまわし、抱きつく。

 雪の体温は暖かく、息は甘い、いい匂いがする。

「ローレライに囚われてから時々ね、夢をみるの。あの時の拷問をうけていたときのね。それが怖くてしかたないの。あのとき、燐君が助けに来てくれて、本当に嬉しかったの。あの場所でやめろっていってくれてね」

 そう言い、雪は僕の唇に自分の唇を重ねる。

 雪の薄い唇も心地よい。

「たまに夜が怖くてしかたないの。だから、私を暖めて欲しいの。その恐怖を忘れさせて欲しいの。燐君、こんなお願い頼めるのはあなただけなの……」

 そう言い、雪はその小さな舌を僕の口にねじ込み、歯茎をていねいに舐め、舌を絡めていく。

 小さな手がズボンの中に入り、僕のもうすでにカチカチになった物をつかむ。

「うれしい、私でもうこんなになってくれて」

 雪は言った。

「本当にいいんだね」

 一応、僕は許可をとる。

 彼女があの囚われていた恐怖を忘れたいというのなら、協力するしかない。


 雪はこくりと頷いた。

 ローブを脱ぐと、その下は一糸まとわぬ姿であった。

 白い、細い体であった。胸の膨らみもわずかだ。

 そのわずかな膨らみに手をあてると、雪はうんっと甘い声をあげた。

「鷹峰さんみたいに豊かな体じゃなくてごめんね。でも、そのかわりに見て……」

 そう言い、雪は下腹部に手をあてる。

 そこに複雑な紋様の魔法陣が浮かぶ。なんとなく子宮を連想させた。

「これはね、淫魔法の紋章。淫紋っていったほうが分かりやすいかしら。男の子を気持ちよくする魔法なのよ」

 そう言い、僕のものを導き、雪はそれを自分の体内にいれた。

 ああ、なんて彼女の体内は気持ちいいのだ。その体は細いため、体はきつく僕のものをしめあげる。

 僕は夢中になって、雪の肉体に自分の分身を出し入れした。雪はその可愛らしい顔をあからめながら、何度も気持ちいいと言った。幕舎の中なので大きな声をださないように必死そうであった。 

 やがて、雪はその体を使い、ちょっと痛いほど僕のものをしめつける。耐えきれずに僕は彼女の体内に目一杯、射精した。どくどくと流れるその快楽の液体を止めることはできなかった。


「ありがとう、燐君。すごく気持ちよかったわ。それに燐君の優しいのが私の体を満たしてくれて、とても幸せな気分よ」

 雪は僕の腕の中で言った。




 

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