第23話出陣前夜

アルファルドさんに作戦を伝えた後、僕たちはルイザさんの宿屋に戻った。

道すがらすれ違う人々に生気はまるでかんじられない。

皆、自分たちが明日にでも魔王軍に攻められて命を落とすのではないかという恐怖にとりつかれているように見える。

僕たちはそんなこの国の人たちに今一度生きる希望をもってもらえることができるのだろうか。

僕の心には不安しかなかった。


「元気ないな、燐太郎」

僕の腕をつかむと麗華はぐっと体をよせる。ああっ、あのJカップ特大巨乳が腕に当たって気持ちいい。

不思議と元気がでてくる。

すごいや、麗華のおっぱいは……。


「作戦が決まったとはいえ、自信がなくてね」

僕は言った。僕には麗華やあの瑞白さんのように戦う力はない。そんな僕がこの奪還作戦を成功させることができるだろうか。

僕はもともとただのコミュ障のオタクでしかないのだ。地の自分はそんなに変わらない。異世界に来てもだ。


「きっとうまくいくよ。私が保証する」

麗華が僕の顔をじっと見つめる。

うわっ、やっぱり麗華は超絶美少女で国宝級にかわいいや。

青色の瞳に吸い込まれそうになる。

肌が白くて、すべすべしていて本当に世の中にこんな美少女が存在するとはと感動すら覚える。


あれっ、その超絶美形が僕に近づいて来るぞ。甘い吐息が顔にかかる。

麗華はかがみ、僕の両肩をつかむ。

麗華は身長が190センチメートルもあるからそのこの世のものとは思えない綺麗な顔が上から近づいてくる。

麗華は僕をギュッと抱きしめる。

ああっ、またあのJカップ爆乳が僕の胸にあたる。ううっ柔らかくて気持ちいいよ。


そして、なんと麗華は僕に口づけした。

その唇の柔らかさはとんでもなく柔らかくて世界一だと思った。

口づけされた快感は今までの人生で一番気持ちいいものだった。

僕は目を見開いて、文字通り間近にある麗華の顔を見つめる。

えっ、これって僕たちキスしている。

あの憧れの麗華と僕はキスしている。

はっきりいってこれで死んでも良いと僕は思った。


少しして、麗華の顔が離れていく。

僕の唇にはあの柔らかい感触がじんじんと残っている。僕はこの感触を必死に記憶にとどめようと思う。


「これ元気が出るおまじない。どう、良かった?」

麗華は僕の手を握り、訊く。


「うん、とっても。すごく元気が出てきた」

本当だ。今まで心の中でうごめいていたものがきれいさっぱりなくなっている。


「そう、良かったわ。続きはこの奪還作戦が成功したらね」

ウフフッと今度は妖艶な笑みを浮かべて麗華は笑う。

続きってなんだろうか。気になるな。これは悩んでる場合じゃないな。この作戦を絶対に成功させてみせる。



ルイザさんの宿屋に戻った僕たちはイザールと共に夕食をとることになった。

ルイザさんが僕たちのためにかなりのご馳走を用意してくれた。

あのシチューは今度は具材たっぷりでかなりのボリュームだ。野菜も肉も新鮮でどれも美味しい。

僕たちはおおいに食べて飲んだ。

飲んだといってもルイザさんが手絞りした果実のジュースだけどね。

うん、このチキンのステーキはたまらない。

麗華が僕の頬についたソースを指でとり、なめてしまった。


「いやあ、それにしても久しぶりにこんなに食べたよ」

そう言い、イザールはぷくっと膨れたお腹をさすった。

僕もこの国にきて、お腹いっぱいになったのは初めてだ。それにしてもルイザさんは料理上手で優しくて、本当のお姉さんみたいだ。

それにおっぱいも大きいし。

背を丸くしてジュースを注ぐとき胸の深い谷間が奥まで見えた。

「騎士さま、今日はいっぱい食べて、英気をやしなってね。あんたらだけが私らの希望なんだから」

ルイザさんが言った。


多分だけど、こらだけの材料を用意するのはたいへんだっただろう。

けど、ルイザさんはそれをちっとも表にださない。

僕たちはそんなルイザさんたちの希望にも答えなくていけない。

ありがとう、ルイザさん。

絶対に希望に答えてみせる。


お腹いっぱいになった僕たちは自室で休むことになった。

ベッドに横たわると眠気が襲ってくる。

僕がうとうとしていると誰かが部屋に入ってきた。

それはあの麗華だ。

こっそり麗華は僕の部屋に入り、しかもベッドにもぐりこんできた。

麗華はその長い手足で僕を包み込み、抱きしめる。

あのJカップ超巨乳を顔におしつける。

息苦しいがこの弾力は気持ちいい。

「さあ、今日は一緒にねましょうね」

麗華は言った。

僕は抱きしめられた安心感ですぐに眠ってしまった。その夜は僕たちは抱きしめあいながら狭いベッドで二人眠りに落ちた。



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