ふたつの命は、やがてひとつになる

ふたつの命は、やがてひとつになる

5/20

マリー。

これはあなたの名前。

あなたはいつも無茶をする。私の事を思ってなのかは知らないけど、モノを取るために高いところに昇って怪我をして。川の中に入っては無邪気に笑う。

本当に見ていて胸が苦しくなるの。

本当に見ていて心配になるの。

だからいつも無理をしないでって言ってるのに、どうしてあなたはいつも無茶をするの？

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5/20

リリー。

それは君の名前。

君は病弱なんだよ。いつも咳き込んで、いつも寂しそうで、いつもひとり。

だから私は無茶をする。

君の笑顔を見たいから。

君に幸せを与えたいから。

君の悲しむ顔は見たくないから。

理由なんていっぱいでてくるけど、君のためになるなら理由なんていらないと思う。

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5/22

マリー。

これがわたしの名前？

マリーはマリーだよ？いつも危なっかしくて見てられないあなたの名前を間違えるはずがない。。

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5/22

リリー。

違うよ君がマリー。私はリリー。

1文字違いだから間違えることだってあるよ。

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5/26

マリー。

でも私にとってマリーはあなた。じゃあ私は……？

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5/26

リリー。

もう一度言うけど私はリリー。君がマリー。

私はまだ覚えてるから、間違ってないよ。君はもう君自身を忘れてしまってるだけ。

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6/10

マリー。

私がマリー？私が私を忘れる？どういうこと？

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6/10

リリー。

私……いや、[リリー]が君を殺した。

だから覚えてない。もうそろそろ消える証拠だよ。

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6/30

マリー。

そんなの嘘だ

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6/30

リリー。

嘘じゃない。本当。

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8/1

マリー。

嘘、嘘、嘘

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8/1

リリー。

君はもう長くない。マリーはもういなくなる。

だからこれで日記も終わりにするね。さようならもうひとりの私（マリー）

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