第146話 ドスンッ!
「ではフランよ、早速儂と模擬戦をしようではないかっ!!」
「はいっ!!」
そしてアーロン先生は今から模擬戦をする旨を告げるとフランと一緒にグラウンドの中央へと二人で向かっていく。
ちなみにグラウンドへ入る時に、グラウンドの入り口に様々な種類の木剣が置かれており、それを生徒が選んで模擬戦を行うと言う流れである。
その木剣の中からアーロン先生は大剣型の木剣を、フランは細身の木剣二本を持ち、構えている。
「とりあえず、どの程度の実力かはまだ分からないから最初のうちは儂は攻撃はしないでおこうっ!! 安心して攻撃してもらって構わないぞっ!!」
「分かりましたっ!!」
そしてアーロン先生は最初の方はフランの実力を測る為に攻撃はしないと言い、その言葉にフランは元気よく返事をする。
その流れを見て嫌な予感がするのは気のせいだろうか?
その後、アーロン先生とフランはお互いに離れ始め、五十メートル程距離を取る。
「それでは始めようか。 では初めっ!!」
「行きますっ!!」
そしてアーロン先生が模擬戦を開始する旨を告げると、フランは二本の剣を構えながら低い姿勢で一気にアーロン先生めがけて走り出す。
「ふむ、確かにそこら辺の中等部の生徒と違って速いが、それでも良くて高等部ではそこそこ速いといったところだなっ! この程度ではむしろ帝国軍ではゴロゴロとおるレベルであり、この儂を倒すのであれば最低でも学生レベルよりも速くなければ通用しなグボハッ!?」
フランの走る速度を見たアーロン先生は『その速度が通用するのは学生までだ』と述べている途中でフランのドリルが回転し始め、ジェット噴射の要領で圧縮した空気を吐き出し、一瞬にして加速。
流石のアーロン先生もこのフランの急加速にはついてこれなかったようで、フランから繰り出される横薙ぎの一撃を防御する事もできずにもろ喰らってしまい、そのまま数十メートル吹っ飛んだ後、さらにグラウンドの端まで滑っていくではないか。
そのせいで土煙が発生してどうなっているのか目視できないのだが、ドスンッ! という音が聞こえたのでアーロン先生はグラウンドの壁にぶち当たった止まったのが分かる。
グラウンドの壁を壊していないところからもフランは魔術の授業と比べてさらに手加減をしていた事が窺えてくるのだが、どうやらまだまだ手加減をする必要があったようである。
そしてこの光景を見たフランは『こんなつもりではなかった』と思っているのが見てわかる。
「よ、よよよ……良い、いい、いっ、一撃だな……っ!」
そんな中土煙が収まり、アーロン先生が足をガクガク振るわせ、誰がどう見ても強がりと分かる事を言いながら、まるで効いていない体でこちらへ歩いてくるではないか。
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