第144話 バレバレ

 ダミアンには思う存分模擬戦の間縦横無尽に揺れるドラゴン級のお胸様を堪能していただきたい。


 きっと男の子であるダミアンはこの俺の采配に泣いて喜んでくれる事だろう。


 なんだかんだ言ってもダミアンも男の子なのである。


 男の子ならばお胸様には逆らえないというのは、水は高い所から低い所へと流れるのを覆せないように、覆しようのない自然の摂理なのである。


「フレイム」

「はい、ローレンス様」


 そして俺がフレイムを呼ぶと、メイド服を着たフレイムが俺の前に出て少しだけ頭を下げる。


 メイド服の上から見てもわかるくらいにフレイムのお胸様は今日も男たちの夢と希望がいっぱい詰まっているのが分かる。


「フレイムには面倒事を押し付けるようで申し訳ないんだけど、あそこにいるダミアンという生徒の模擬戦の相手をやっもらっても良いか?」

「畏まりました、ローレンス様」


 いつもならばここまで硬い声音や口調ではないのだけれども、今は複数の生徒の目と耳がある為俺に恥をかかせないようにと配慮をしてくれているのだろう。


 そういう気配りができる点もフレイムは優秀であると言わざるを得ない。


 しかしながら、だからと言ってそういうのが少しばかり苦手であるマリアンヌが劣等というわけではないし、マリアンヌはマリアンヌであの天真爛漫さが彼女の魅力であると言えよう。


 それにそもそも言葉遣いからして荒っぽいシシルがいるわけで、そしてそのシシルも優秀である。


 要は得意な分野がそれぞれ異なる為、一箇所だけ見て彼ら彼女たちを判断するのは間違っていると言えよう。


 ちなみにここ最近ではマリアンヌのおかげで発酵商品の種類や酒の種類がかなり増え、特に酒類が表に出せるクオリティーになる頃には俺の資産はすごいことになりそうだ。


 そんなこんなで話を戻すとして、フレイムが俺のお願いを快く(フレイムの尻尾がゆらゆらと揺れていたので本人は恐らく俺の為に何かできるという事が嬉しいようだ)引き受けたようで、そのままダミアンのと頃へと歩いていく。


「あなたがダミアンさんでよろしいでしょうか?」

「あ、あぁ……」

「先ほどのローレンス様と講師との会話、そしてローレンス様と私との会話は聞いていたでしょうから、説明をする必要はございませんよね?」

「そ、そうだな……」


 そしてダミアンは俺の目論見通りフレイムのドラゴン級の胸が気になって仕方がないのかチラチラと目線がフレイムの顔から胸へとチラついているのが見てわかる。


 恐らく本人はバレないように胸へと視線を移しているのだろうが、バレバレなので教えてやるべきかどうか悩む所である。

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