第138話 ゾクゾクと感じてしまいますっ!!
「わたくしの魔術……ですか? 少しだけ待ってくださいまし。 ローレンス様、わたくしの魔術をこちらの生徒会長様へ放課後見せてもよろしいかしら?」
そして私がフランさんへ魔術を見せてほしいと話すと、フランさんは私に少しだけ待つように答えた後、隣にいる男性へ私に魔術を見せてもいいかと聞き始めるではないか。
そもそもなぜフランさん自身の事であるにも関わらず、ただ魔術を見せるだけ隣の男性へ許可が必要なのだろうか?
「そうだな……昨日のクラスメイトたちと同じぐらいの威力であれば別に見せてあげてもいいと思うぞ? 別に(威力以外は)見せても何も問題ないと思うしな。 後は、ほどほどにな」
「あ、ありがとうございますっ。 ほどほどですわねっ! 分かっておりますわっ! わたくしは同じ過ちは犯しませんものっ!! 恐らく? 多分? きっと? …………精進いたしますわっ!!」
「…………不安だから俺も行っていいか? フラン」
「かまいませんわっ!! むしろわたくしもローレンス様がお側にいてくれた方が安心できますし心強いですものっ!! と言う訳ですので本日の放課後であればわたくしの魔術を見せてあげても大丈夫ですわ。 ただローレンス様も同席させていただいてもよろしいでしょうか?」
そしてフランさんは隣の男性と話し合った後、私の方へ向き直り魔術を見せてくれると返答してくれる。
しかしながら私は先ほどのフランさんと男性との会話で『クラスメイトたちと同じぐらいの威力であれば別に見せてあげてもいいと思う』と言っていた事をを聞き逃さなかった。
それは、フランさんが威力を抑えて魔術を行使したものであれば私に見せてもいいということだろう。
「そのちらの男性が同席するのは構わないのだけれども、フランさんの全力で行使した魔術を見せてくれるのは無理かしら?」
「ま、誠に恐縮ではございますが、それは流石にそれはできませんわ。」
「ちょっとあなたっ!! さっきから聞いていれば──」
「リーリャ、下がりなさい」
「で、ですがこの者はオリヴィア様を──」
「聞こえなかったのですか? リーリャ。 私は下がりなさいと言ったのですよ?」
「……わ、わかりました。(あぁ、オリヴィア様からの叱責、本来であれば叱責された事を反省しなければならないのだけれども、オリヴィア様に叱責されたと思うだけで身体の内側からゾクゾクと感じてしまいますっ!! あぁ、こんな私に鞭で打って躾てくれないでしょうかっ!? はぁはぁっ)
何故だろう。 いつもリーリャの言葉には全く別の感情が含まれているるような気がするのだけれども流石に『わかりました』の一言に別の感情などあるわけがないと私はその事については考える事をやめる。
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