第136話 金色に光り輝く
「あら? そんなに騒然としてどうしたのかしら? 私何かとても失礼な事をしたのでしたら謝罪いたしますが……」
「恐らくオリヴィア様がフランさんへ決闘を申し込みに来たと思われているようです。 恐らく入室時の扉の音と今噂のフランさんに会いに来たという事で勘違いしてしまったものと思われます」
周囲がざわめき立つ理由が分からず、ここからどう立ち回って良いものかと思考を巡らしていると、リーリャが私にこの今日状況の説明を耳打ちしてくれる。
「そうですよね?」
「あ、その、あの、は、はい、そうです。 あの、一ヶ月後にある中等部の全生徒で行われるトーナメント戦の前にフランさんを潰しに来たのでは? と……」
そしてそのままリーリャは目の前のメガネをかけた少女に同意を求めると、少女は同意し、さらにその理由まで教えてくれるではないか。
なるほど、出る杭は今のうちに打ちに来たと思われていたわけね。 それならばこのクラスにいる生徒たちが騒がしくなるのも分かるというものである。
「なるほど、そういう事だったのね? でも安心してちょうだい。 今日来た理由はフランさんと少しお話をしにきただけでそれ以外の理由はないわよ?」
そして私は、目の前で少しだけ怯えている少女を刺激しないように優しく、今日来た理由を説明する。
すると目の前の少女は私がフランさんへ決闘を申し込みに来たという訳ではないと分かり、安堵しているのが見てわかる。
本人がいる前なのだから、私にだけでもバレないように少しくらい感情を隠す努力をしてもらいたいと思ってしまう。
怖がられているのだと思うと地味に傷つく。
しかしながら傷ついている所を見せてしまうと生徒会長としての威厳が崩れてしまいかねないので、バレないように立ち振る舞う。
「それで、フランさんはどこにいるのかしら?」
「あ、す、すみませんっ! フランさんに会いに来たんでしたよねっ!! フランさんでしたら後ろの上の方の席にいますっ!! あそこの金色に光り輝くドリr…………金髪の二本の大きな巻き髪をしていらっしゃる女性の方ですっ!!」
「あぁ、なるほど。 確かにアレは分かりやすいわね。 わざわざ教えてくれてありがとう」
「い、いえっ!!」
そして私はメガネの少女が教えてくれた方向を見てみると、確かにアレは分かりやすいと思ってしまう。
あの縦ロールは毎日のセットが大変そうで…………え? 回転しているような…………気のせいかしら? いや、確かに回転してるわね……どういう原理かしら? 気になるわね。
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