第135話 会いに来ただけ
「そうなのですっ!! オリヴィア様は凄いのですよっ!!」
「それは流石に言い過ぎですよ。 ただ単に噂が広まるのがそれだけ早かったというだけだわ」
「それでも凄いことには変わりません」
「はいはい、お世辞はもうこの辺にしてそろそろフランさんがいる教室まで行きましょうか」
このままリーリャと会話をしていれば永遠とリーリャからお世辞を言われるだけで朝のホームルームの時間になってしまいそうなので、ここはガーランド先生には悪いのだが半ば強引に切り上げることにする。
「あぁ、そうだね。 おそらく私がフランさんの事を説明しておそらくオリヴィアさんは全ては信じないだろうから、フランさんに魔術を見せてもらおうようにお願いして実際にその目で見てみるのも良いかもしれませんね」
「えぇ、私自身もそう思っておりますので、フランさんへそのようにお願いをするつもりです。 それでは、行ってまいりますね」
そして私はガーランド先生と別れて先へ進む。
「ここがフランさんがいる教室のようね」
「はい、おそらくここで間違いありません」
そんなこんなで一学年生からの視線にさらされながらもなんとかフランさんがいるであろう教室へと着くことができた。
いざついてみると、ただフランさんへ『貴女の魔術を放課後でも良いので見せてくれないかしら?』とお願いするだけなのだが、たったこれだけの事で想像以上に緊張してしまう。
しかしながらいつまでも扉の前で突っ立っていては流石に邪魔であろう事は理解しているので私は勢いよく横開きの扉を開ける。
すると、思っていた以上に力が入ってしまっていたのか、横開きのドアは『スパァーンッ!!』と言う音を立てながら開いてしまい、これではまるで私が下の学年へカチコミに来たようではないか。
「み、みなさんご機嫌よう。 この教室の扉は滑りが大変良いようで力加減を間違ってしまったようで、申し訳ないわ」
そして私は『カチコミに来た』と勘違いをされる前にとりあえず謝罪をする。
「ど、どのような用件で来られたのでしょうか?」
「えぇ、別に争いに来たとかいうのではないのでそこまで怯えなくてもよろしいわよ。 そう、今日私がこの教室に来た理由はフランさんへ会いに来ただけですもの」
そんな私の前に一人の、メガネをかけた真面目そうな女生徒が一人やってきて私がこの教室へ来た理由を聞きに来てくれたので正直に『フランさんに会いに来た』という事を告げると、何故かクラス中がざわめき出すではないか。
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