第127話 鍛える方法
しかしながら相手は闇に隠れて行動している犯罪組織である。
組織の拠点を見つけるだけでも難しい上に見つけたところで返り討ちにされて終わりであろう。
それでもダークエルフたちと一緒ならばもしかしたら俺たちを襲った組織を潰せるのかもしれないという淡い希望を持ってしまう。
「そ、それはあなたがたダークエルフ達も一緒に参加してその組織とやらを潰してくれるという事なのだろうか?」
「いや、お前達の復讐だからお前達四人だけで潰しに行って貰うつもりだ。 しかしながらいきなり奴らの拠点を探せというのも無理があるだろうから拠点探しと案内、そして万が一脱走しようとした奴らの捕縛はさせてもらおうかと思っている。 復讐はやはり他人にしてもらうよりも自分の手で行った方がスッキリすると思うんだ。 それをわざわざ邪魔するのも野暮だと思うしな」
そしてどうやってその組織を潰すのか聞いてみると、ダークエルフのリーダーであるシシルは『お前達白狼族でやれ』と言うではないか。
確かにシシルの言っている事は分かるし、俺たちだけでそれができればどれだけ良いか。
しかしながらあの下っ端であろう賊達にすら簡単に出し抜かれて奴隷にさせられた俺たちでは拠点を潰すなどできないことくらいは俺たちが一番よく分かっている。
「そう心配そうな顔をするな。 今から一週間の間でお前達をしっかりと鍛えてやるから。 それこそお前達を襲った賊の拠点など一人でも簡単に捻り潰せるくらいにはしてやるよ。 とは言ってもご主人様に教えてもらった方法だから私たちダークエルフが凄いわけではなくて、その方法を知っていたご主人様が凄いわけで、当然奴隷以外の他人にこの方法を話すことなどはできないがね」
そんな俺たちの不安をシシルは感じ取ったんだろう。 俺たちを賊の拠点くらいは簡単に潰せるくらいに鍛えてやると言うではないか。
しかもたった一週間以内である。
普通に考えればまずあり得ないのだが、だからこそ俺たちはその鍛える方法が気になって仕方がない。
この話がもし本当であれば命が幾つあっても足りない気がして恐怖心が俺たちを襲ってくる。
「ち、ちなみにどのような方法で鍛えていただけるのか? それは俺たちの命に危険が及ぶような事ではなかろうか?」
なので流石に俺はシシルに鍛える方法を聞いてみる。
「私たちも最初はそんな事を思ったけど、蓋を開けてみれば全然大した事ないから大丈夫だ。 とあるダンジョンまで行って宝石スライムが湧き出る部屋で永遠と湧き出る宝石スライムを狩り続けるだけだ」
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