第126話 壊滅させに行きましょう
「いや、そこまで気を遣わなくても良いですよ。 そもそもこれは俺の趣味というかダークエルフたちの為にやっているようなものだしね。 もしどうしても礼を言いたいというのであればここにいるダークエルフたちに感謝の気持ちを伝えてもらえれば俺はそれでいいよ」
そして俺たちはダークエルフたちの主であるお方へ礼をしたい旨を伝えてみると『自分ではなくダークエルフたちへ礼をしてくれ』と言うではないか。
普通であれば隷属したものの功績は主人の功績というのが常識であるにもかかわらず、この者は『自分にではなくダークエルフに』と言える時点でその者の人となりと器のデカさが分かるという者である。
確かに俺は既に決意はできているのだが、その選択は決して悪いものではないかもしれないと思えてくる。
「流石、これ程のダークエルフたちを隷属した上で尊敬されているお方なだけはある。 そして、そんなお方だからこそ俺たちはあなたの奴隷になることを決意したのだ。 今は幸い我々は主のいない野良奴隷である。 さらに俺たちはダークエルフたちに助けてもらうにあたって白狼族のプライドも捨ててしまっては今更村に戻ったところで迷惑をかけてしまうのは目に見えている。 それに野良奴隷のままではいつ契約できる者がまた村を襲った場合俺たちを無理矢理契約して村の者たちを襲わせる可能性だってある状況では村の者たちは安心して暮らせないだろう。 ですので、恥を忍んでお願いをするのだが、俺たちを奴隷にしてはもらえないだろうか?」
俺がダークエルフの主に膝をつき頭を垂れ奴隷にしてほしいと懇願し、俺の後ろには仲間が俺と同じよに膝をつき頭を垂れる。
「…………シシルはそれでいいのか?」
「はい。 私からもこの者たちを隷属していただければと思います」
「……そ、そうか。 分かった」
そしてダークエルフと少し話し合った後、俺たちを奴隷にすることを肯定してくれるようでホッとしてしまう。
「そ、それでは──」
「その前に、村の者たちにはしっかりと説明をした上で反対されなければ隷属する事にしようと思う。 それでもいいか?」
「わ、わかりましたっ!! では、これから村に戻りますので主たちも是非着いてきていただきたいっ!!」
そしてこの日、俺は村人たち、その中でも家族や妻から許可をもら事ができ、ローレンス様の奴隷となる事ができるのであった。
◆
「では手始めにこの村を襲った組織を壊滅させに行きましょう」
ローレンス様の奴隷になったその夜。 ダークエルフたちを纏めているシシルという者が俺たちを集めてそんな事を言うではないか。
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