第113話 得意と言うだけのことはある
「うん、炎魔術段位一【火球】以上の魔術を行使できるのならばそれを行使してみんなに自慢して優越感に浸りたかったのだろう、それでは先ほどの授業の意味がなくなってしまうからね。 申し訳ないけどここは炎魔術段位一【火球】だけ行使して良いことにするよ。 それに、魔術の優劣を見せつけたいのならば同じ魔術の方が個々の実力の差が分かりやすいからむしろ別の魔術を行使するよりも君の魔術の実力を見せつける事が出来ると思うよ。 まぁ、君にそれだけの実力があればだけどね」
「……ちっ、仕方ねぇな」
そしてダミアンはガーランド先生に言い包められて炎魔術段位一【火球】を行使することに納得したようである。
その流れを見て、さすがガーランド先生だと少しだけ俺の中でガーランド先生の株が上がる。
今まできっと何人もの学生を相手に戦ってきたのであろう。 そんなガーランド先生であればダミアン程どの生徒など赤子の腕を捻るが如く掌の上で転がすのは簡単だったであろう。
そう思えるくらいには落ち着いて転がしていたように思う。
「それでは、みんな一列に並んで早速修練場の奥にある的目掛けて魔術を行使してみようか」
「よしっ!! 俺が一番最初に魔術を行使してお前たちとの才能の差を見せつけてやるぜっ!!」
そしてやっと実技に入るのだが、ダミアンはよほど自分の魔術には自信があるのであろう。
ガーランド先生が炎魔術段位一【火球】を行使して修練場の奥にある的を当てるように生徒たちに言うと、いの一番にダミアンがしゃしゃり出てきて『最初に魔術を行使して自分の凄さをクラスメイトたちに見せつけてやる』と鼻息荒く列の先頭を陣取るではないか。
正直言って、どうせみんな魔術を行使するのだから順番なんか何番目でもいいとクラスメイトたちは思っており、ダミアンが一番最初に魔術を行使する事を誰も抗議するものは現れなかった。
むしろこの学園、そしてこのクラスで初めての実技であるためトップバッターをやってくれるのは物凄くありがたいとすら思っているのがクラスメイトたちの表情から簡単に読み取ることができる。
「ではダミアン君。 魔術を行使してみようか」
「はいっ!!」
そして列が並び終えたのを見てガーランド先生は先頭を陣取っているダミアンに魔術の行使を始めるように声をかける。
するとダミアンは元気よく返事をすると懐から杖を取り出し、炎魔術段位一【火球】を行使すると見事に修練場の的に当ててみせるではないか。
さすが自称魔術が得意と言うだけのことはあるな。
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