第103話

 そう言うフランの髪の毛は今日も元気にギュルンギュルンと回転している。


 そのフランもここ二年でかなり大人びて来ており、お胸様も将来有望株と思えるくらいの膨らみが現時点で目視でもわかるくらいには成長しているのがわかる。


 そして成長しているのは体付きだけではなく顔つきも幼さの中に大人びた雰囲気が見えるようになっており、こちらも将来かなりの美人に育つのだろうと思えるくらいには整った顔立ちをしている。


 これは将来フランはかなりモテモテになるだろう。


 実際に今現時点で俺という婚約者がいるにも関わらず、フランがパーティーに同行した翌週にはかなりの数の婚約を望む手紙が送られてくる程だという。


 確かに、今のフランであれば、前世の同い年くらいの俺であれば一目惚れしていてもおかしく無いくらいには美人に育っている。


 それくらいフランは魅力的な女性になっているのだ。


 しかしながら、今、確かに周りの視線をフランは独占しているのだが、それは決してフランの美貌だけではない事を俺は知っている。


 フランが成長しているようにドリルもまた成長しているのだから、そのインパクトもなかなかのものである。


 やっぱり、気になるよね……。 俺も婚約してから今日までずっと気になっている。


 何なら少し浮いているように見えるのは気のせいだろうか? 気のせいだと思いたい。


「それでローレンス様はこれからどこで生活するのですの?」

「ちょうど帝都に別荘があるからそこを使うつもりだよ。 お兄様も少し前までそこで過ごしていたから必要な家具や日用品は揃っているからね」

「それを聞いて安心いたしましたわ」


 そしてこれから学園へと通うために親元を離れて生活をしていくのだが、フランがどこで生活をするのが聞いてくるので、そのまま答えると、フランは何だか引っかかる答えを返してくるではないか。


「安心したってどういう事?」

「あら、その感じですとやはりローレンス様は何も聞いておりませんのね。 わたくし、今日からローレンス様と同じ別荘、一つ屋根の下で暮らすんですのよ?」

「……はい?」

「ちなみにこれに関しては両家公認ですのでローレンス様は心配する事はありませんわ。 ただ……」

「…………ただ……?」

「わたくしのお父様が『同棲するからには学園卒業と同時に婚姻してもらう。 当然在学中にうちの娘が身籠ったと分かった場合はその時に婚姻してもらう』と息巻いておりましたわっ!! わたくしとしては今すぐにでも婚姻関係を結びたいと思っておりますので……その、あの……その時は優しくしてくださいまし……っ」

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