第102話 十二歳
うむ、年齢に関係なく勉学に励むのは良い事である。
そして新たにお父様とお兄様も加わってダークエルフの運営方法についても考えていく。
流石に数百人全員を大豆作りに当てるのは多すぎるということで大豆作りと並行して、ダークエルフの隠密能力を利用して俺の護衛や領地の警備強化に携わってもらう事になった。
勿論、隷属関係にあるからといって無償無休で働かせるつもりも無いので賃金やローテーションをつめていく。
ちなみにシシルにも『これで大丈夫か? 村の事とかおざなりになっていないか?』と聞いてみたのだがむしろ人手を持て余していたそうなので全く問題はないとのことである。
シシル曰く、そもそも野獣から村や住民を守る為に警護に回していたダークエルフ達を回せば良いだけとの事である。
そんな感じで明日にでも護衛のローテーションを組み込んでくれと息巻くシシルを宥めて、その件はダークエルフ達が風魔術を駆使して魔獣達を一人でも難なく倒せるようになり、魔獣がダークエルフ達にとって脅威ではなくなってからだと落ち着かせる。
流石にここの領地の警備や俺の護衛をさせている間にダークエルフの村や住民が魔獣にやられてしまうなどという事になってしまったら、後悔してもしきれないだろう。
「分かった。 では村の者達には死ぬ気で風魔術を覚えるように言っておく」
「いや、そんな無理に早く覚えようとしなくて良いからね? むしろそのせいで変な癖がついたり身体が壊れたりしてしまったら逆に風魔術の習得が遅れてしまうからね? あ、そうだ。 ペース配分は僕が考えておくよ」
「流石我が師匠。 急がば回れという事だなっ!!」
「まぁ、そんな所だよ」
そして俺の話を聞いて早速無茶しまくりそうな事を言うシシルを宥めて、風魔術を習得するペース配分は俺が考える旨を伝える。
なんか、俺の奴隷達はちょっと忠誠心が異様に高すぎる気がするのだが気のせいだろうか?
今度一度、話し合ってお互いの考えや価値観を擦り合わせる必要があるだろう。
そんな事を思いながら今日一日は終わっていくのであった。
◆
シシルが俺と隷属関係になってから二年が経過した。
俺は十二歳となり、帝国魔術学園へと入学する年でもある。
「どうかしら、ローレンスっ!?」
「うん、学園の制服はとても似合っているよ。 フランは何を着ても似合っているね」
「そ、そんな……ありがとうございますわっ。 で、ですがローレンス様も魔術学園の制服、とても似合っていると思いますわ。 それこそその他男性の顔が芋のように見えてしまうくらいには」
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