第91話 ビキニアーマー

 そして、俺を黄色猿のコロニーであろうど真ん中に置いたフレイムはというと「久しぶりにご主人様に抱きつく事ができましたっ。 こんな時にしか抱きしめられないので役得ですね」などと呟いており、まだまだ俺を子供扱いしているようである。


 とは言っても正直俺の見た目とこの世界での年齢は十歳なのでまだまだ大人から見れば子供の部類だろう。


 俺も前世で十歳となると普通に子供という感覚だったし、二十前後でもなんなら子供扱いしてしまう時もあるほどで、それは今も変わらない。


 そのため俺からしてみればフレイムもまだまだ子供だなと思ってしまう時があるのだが、そこはお互い様ということで許してほしい。


「あ、ご主人様。 ここのコロニーのリーダー猿は確かにシルバー黄色猿っぽいですが他にも青色猿に赤色猿までいますねっ! これは腕の見せ所ですよっ!!」


 信号機かよ……。 あとボス猿は銀なのか黄色なのかはっきりしてほしい。


「ウホ?」

「ウホウホウホ」

「ウッホウホウホ」


 そしてあっという間に俺は色とりどりの猿(見た目は完全にゴリラ)に囲まれており、フレイムは気が付けばカラフルゴリラ達の攻撃が当たらない場所まで飛び上がっており「頑張ってくださいっ! ご主人様ぁーっ!!」と声援をかけてくれる。

 

 この状況、俺たちの事を知らない第三者が見れば普通に虐待されていると思うのではなかろうか? なのでフレイムには第三者にいらぬ誤解を招いてしまう前に是非地上まで降りてきて俺の代わりにこの猿どもを討伐してほしいところである。


「今まで物陰に隠れて様子を見ていたが流石に子供一人をこの猿どもの真ん中に置き去りするなど我慢ならんっ!! そこのドラゴノイドの女性よっ!! 恥を知れっ!!」


 ほら、言わんこっちゃない。


 早速第三者にいらぬ誤解をさせてしまっただはないか。


 …………ん?


「ほら、私が来たからにはもう大丈夫だぞ、坊や。 早くここから一緒に逃げようっ!!」


 どこからともなく女性が現れ、俺の頭をポンポンと撫でた後に手を握って「一緒に逃げよう」と言ってくるではないか。


 その女性は腰まで長い輝く銀髪に耳は長く隠すところは隠しているが、機能性を重視しているのか少し布面積の多いビキニアーマーのような装備をしており、そして褐色の肌をしている。


「だ、だだだだっ」

「? そうか、丈夫で上手く喋れないんだなっ! なんて可哀想にっ! でもお姉ちゃんが来たからにはもう大丈夫だぞっ!!」

「ダークエルフじゃないっすかっ!!」

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