第89話 十年もの
あの感じだとあまり良く分かっていないような感じなのだが、俺は確かに注意はしたのでそれで良いだろう。
ぶっちゃけ赤の他人の髪の毛かフレイムかと言われればフレイムの方が大事だからな。 そのことで何か問題があった時は、その時はその時に考えれば良いだろう。
それになぜか髪の毛が無い連中はフレイムの事を悪く思っている者は居なさそうだし、むしろ逆にフレイムのファンクラブなのでは? と思ってしまうくらいには友好的な会話が聞こえてくるのでとりあえずはこのままでも良いだろう。
「あら、フレイムさんっ!! こんにちわっ。 そちらの方はローレンス様ですねっ! 本日はどのようなクエストをご希望でしょうかっ?」
そしてスキンヘッド達の会話を盗み聞きしながら冒険者ギルドへと着くと、早速俺達が冒険者ギルドに来たことに気づいてくれたのか受付嬢の一人が声をかけてくれる。
ちなみにそこの受付嬢のカウンターは高ランク専用なので今は誰の相手もしていないようなのでそのまま声をかけてくれた受付嬢の所まで行ってクエストを受ける事にする。
というか、ここの受付嬢はいつ来ても美人さんが揃っていて、目の保養になる。
「そうですね、フレイム何かおすすめはある?」
そして俺はどのクエストが良いかフレイムに聞いてみる。
こういうのは下手に素人が決めるのよりも経験豊富な者が決めた方が良いにいきまっているので俺は今まで全てフレイムか受付嬢さんにクエストを選んでもらっている。
「そうですね、この黄色猿の討伐なんてどうです? 無駄に知恵が回る上にスピードもパワーも申し分ないのでご主人様でも十二分に楽しめるかと思いますっ!!」
しかし、ここ最近ではなぜか比較的簡単かつ高報酬のクエストよりも、どちらかというと報酬度外視で難易度が高いクエストを率先して選んでいるように思えるのは気のせいだろうか?
違う、そうじゃない。 俺は楽をしたいんだっ。 と思うのだが、フレイムがこの難しいクエストを選びたいというのであればしょうがない。
それに、フレイムが自分の成長した姿を俺に披露したいというのも少なからずあるだろう。
俺の所に来るまでのフレイムの身体的ハンデを考えると、フレイムの気持ちも分かるので今日もフレイム厳選の難易度の高いクエストを選ぶ事にする。
「いつもありがとうございますっ! フレイムさんのおかげで腐っていたクエストが消費されていくので本当に助かっていますっ!! この黄色猿討伐のクエストなんて十年ものですよっ」
「十年ものですか……それは期待できそうですね。 この十年という期間でさらに知恵もついてきているでしょうし、コロニーも大きくなっている可能性だってありますしね。 楽しみですね、ご主人様っ!!」
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