第78話 まだ話足りない
心なしかリーシャさんに怯えているようにも見え、一体何を言われたのか気になるのだが、それは決して開けてはならぬパンドラの箱であることは理解しているためグッと好奇心を抑える。
「それで、ローレンス君は今日はどんな事をする予定なのかね?」
「はい、今日はちょっと奴隷のみんなでこの領地の探索をしようかと思っております。 何回か訪れているのですがそれでも全てを周れているわけではございませんので」
「それでは私が──」
「それならわたくしが案内して差し上げますわっ!!」
「そうかそうか。 ならお父さんも一緒について──」
「お父さんは久しぶりの休日ですからお家でお母様と一緒にゆっくりして良いですわよっ!!」
「あ、あぁ……分かったよフラン。 ありがとう……」
「あら、お父さんは私と一緒に休日を過ごすのは嫌なのかしら?」
「そ、そんな事はないぞっ!?」
「あら嬉しいわ。 なら次からも一緒に休日は過ごしましょうか。 まだまだ話足りないと思っていたのよ」
正直に言うと今日はここの領地にあるとあるダンジョンでしかできない事を色々とやりたかったんのだが、せっかくだからフランに案内してもらう事にする。
ダニエルさんに対しては心の中で『頑張って下さい』とエールを送る。
ちなみにダンジョンではスキル削除のアイテムと付与のアイテムがクリアするともらえるので今日一日使って周回し、ついでに奴隷達のレベル上げもしておこうと思っていたのだが、別に今すぐにでもそれをしなければならないような切迫したような事もないので後回しでいいだろう。
そしてレベル上げなのだが、レベルというものが存在しているかどうかわからないのだが経験を積むという点でも無駄ではないだろう。 それにスキルには今までの経験からもレベルがあるのは間違いないので俺たち自身にもレベル上げは有効であろうと俺は思っている。
というわけで、そのダンジョンへは一日滞在を増やして帰るときにでも行けば良いだろう。
俺の目標はあくまでもスローライフであり強くなる事が目標ではないのでそこを履き違えてはいけない。
それに、クヴィスト家の領家に行く度に毎回同じような流れになるので今回も一日余裕を持って滞在している。
ちなみに前回は水系の魔術の威力を上げるために海底ダンジョンへ行っていたのだが、そこはやはり海の中ということで本当に大変だった。
ここだけはゲームに忠実にして欲しかったのだが、今ではそれもまた良い思い出である。
ちなみに方法は魔力を使って空気の膜を顔に覆い、その浮力を打ち消すために重りをつけて何とか最初は攻略でき、攻略していく度に水の扱いも長けていく為水の流れを操作したり海中に溶けた酸素を抽出できるようになり酸欠の危険性を回避できたりとかなり楽になっていった。
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