第68話 俺調べで結果が出ている
アレ? 俺の想定していた反応と違うのは気のせいだろうか?
ちなみに俺はワラジムシ(ぽい虫)を触る事が出来なかったのでフレイムが大物を取ってくるまでは蟹か貝で釣っていたのは秘密にしておこう。
「い、一応蟹や虫は素早いから慣れるまでは貝を潰したやつを餌にして──」
「ご主人様っ!! 虫、捕まえましたっ!! どうやって針につければ良いのでしょうかっ!? お手本をお見せくださいましっ!!」
「ひぃっ!? ……んんっ、マリアンヌ、この虫に限らず全ての虫の腹部分を向けて他人の顔に近づけるのはあまりよろしくないかと僕は思いますよ?」
「え? でも可愛いと──」
「僕は、そう思いますっ」
「ご主人様、虫が苦手なので──」
「そ、そそそそそそ、そんなわけがないでしょうっ!! 特にあのお腹側部分がグロテスクだとかは思ってないからねっ!!」
「ふふ、そういう事にしといてあげますっ」
ふぅ、なんとかマリアンヌに俺が虫が苦手な事がバレずに済んだようである。 これでなんとかご主人様としての威厳は守られただろう。
というか、さっきマリアンヌはあのフナムシを可愛いと言いかけていたような気がしたのだがきっと気のせいであろう。
マリアンヌは三十歳と言えども女性には間違いないのである。
そして女性があのフナムシかワラジムシか素早く動くダンゴムシかグソクムシかよく分からない生き物を見て可愛いと言うはずがないではないか。
しかも俺の予想が正しければマリアンヌの精神年齢は中学生ぐらいであろう。
そして中学生の女の子はフナムシを可愛いとは言わないという俺調べの結果が出ているのである。
おそらく気持ち悪い虫を掴んだマリアンヌの姿を見て少しパニックになったせいで本来であれば聞こえるはずのない幻聴が聞こえたのだろう。
きっとそうに違いない。
「それじゃぁ、最初は比較的に取りやすく扱いやすい貝を餌に釣りをしてみようか。 二枚貝でも巻貝でもどっちでも良いんだけど、小ぶりなサイズを取って石で潰したら、針に刺して魚がいそうな場所に落としていくと……ほら、簡単に釣れますっ!!」
そして俺はフナムシではなくて貝を使った釣り方をレクチャーしながら魚を釣ってみせる。
釣れた魚はベラっぽい何かなのだが、この際釣れればなんでも良いし、むしろ初心者ならこういう簡単かつすぐに釣れる魚がいる方が楽しいだろう。
ちなみに前世でベラが釣れた瞬間スポットを変える時もあるくらい邪魔に思う魚でも簡単につれて味は美味しいため初心者にはうってつけの魚と言えよう。
「わぁっ! 流石ご主人様っ!! でも、私もご主人様に負けないように頑張りますっ!!」
そしてマリアンヌは俺の釣り方を真似て、ぎこちないながらも針に餌をつけて海へと落とす。
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ご報告
この度私が書いた小説
● 悪役令嬢のデレは俺だけにバレている
が本日21火曜日11時からコミックニュータイプで連載が始まります∩^ω^∩✨
読んでいただければ幸いでございます٩( ᐛ )وアパ
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