第37話 エグすぎて笑えない
そんなオークスが話す王国元王妃が離婚され奴隷へ売り飛ばされる経緯なのだが、その元王妃は王国公爵家の生まれなのだが、幼い頃より見えないものが見えると言っては周囲に不気味がられていたらしい。
更に元王妃が不気味がられた理由に、病気になる相手を予め予想でき、その確率はほぼ百パーセントであったそうである。
そのため元王妃は裏で死神やら不幸を撒き散らす女と陰口を言われ、彼女に触れられた者は必ず不幸が訪れるとも言われていたそうである。
そんな元王妃なのだが容姿は傾国の美女と呼ばれる程に美しかった為、幼少期まだ彼女の能力が周囲に広まっていない頃に現国王陛下が一目惚れしてしまい、家柄も公爵家と申し分ないと言うことで婚約したのだが、日々過ごしていくにつれて元王妃の異常性に周囲が気づき始めると共に現国王も元王妃に対して警戒するようになり、最終的に婚姻するその日まで会うことも無くなってしまった。
そしてその間に現国王は第二夫人候補の婚約者にのめり込んで行ってしまい、婚姻してからその第二夫人が元王妃を指して『こんな気味の悪い化け物なんか奴隷商人に売って欲しい』と現国王にお願いして売られるのだが、この時第二夫人は熱した油を元王妃の頭めがけてぶっかけてしまったらしい。
その理由を第二夫人が言うには『腐っても一度は王国の王妃にまでなった女性だから素顔でバレないようにぶっかけたと言っていたらしいのだが、周囲の人間には前々から『元王妃の美貌が妬ましい。 いつかその美貌をめちゃくちゃにしてやる』が口癖だったため計画的犯行であったのだろうと言うのが裏で囁かれてる噂話として耳に入ってくるのだが、これに関してはまず嫉妬心から元王妃の顔に油をかけた事で間違いないとの事。
ちなみに第一夫人よりも第二夫人の方が力関係は強く、なんと言っても今回無事三人目で待望の男の子を出産したといのも大きいらしい。
そしてそんな元王妃に現国王は「これで中身だけではなく外面まで化け物になったじゃないか」と言って元王妃を奴隷商に売り飛ばしたと言うのが、今回のざっくりとした流れだそうだ。
なんというか……エグすぎて笑えないんですけど。
ちなみに現国王は不幸になりたくないからと言う理由で元王妃を触るのも嫌だと婚姻してからも一度も元王妃を触っておらず今年で三十歳になるにも関わらず処女のままだそうで、その事もまた裏で馬鹿にされていいたらしい。
「…………分かりました、ではその元王妃に会わせてもらえないでしょうか?」
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