第15話 英雄色を好む
「問題ありませんよ、お坊ちゃま。 フレイム様は物覚えが良く身体能力も高いためむしろ成長スピードが速すぎる程でございますので教える側の私も楽しく稽古させていただいているくらいです。 一日二日程度休んでもそう大した問題にもならないでしょう」
そして俺が来たせいで稽古を切り上げてしまった事をセバスに謝罪すると、逆にセバスからフレイムの能力の高さを褒められてしまう。
その事が自分の事のように嬉しく思う。
「フレイムはやっぱりすごいんだねっ!!」
「そ、そんな……私なんて」
そして、その嬉しさの感情そのままにフレイムを褒めると、彼女は口では謙遜しているのだが、その表情からは『褒められて物凄く嬉しい』という感情が駄々洩れである。
そして、恐らく無意識に動いているのだろう。 それを証明するかのようにフレイムの尻尾は、まるで犬のように左右に揺れているのが見える。
その事を指摘すると次からはその可愛らしい尻尾を隠すようになってしまう可能性もある為、俺はあえて指摘はしない。
「うん、でも僕の自慢のフレイムには変わりないからっ!」
「あ、ありがとうございますっ! こ、これからもご主人様からそう言っていただけるようにより一層側仕えとしてのお勉強と鍛錬を頑張りますっ!」
「うん、やる気があるのは良い事だけど体調には気を付けて、無理だけはしないようにね」
「はいっ!」
うん、実にいい返事と表情である。
だからこそオーバーワークが心配なので一応は指摘しておくのだが、最悪俺のスキル【回復】があるので問題は無いだろう。
それに俺に仕えるという事が今のフレイムの生きる目標というか原動力になっている気がするので好きなようにさせようと思っている。
しかしながら、まだ三歳である為仕方がないと言えばそれまでなのだが、女性に抱きかかえられるというのはなかなかに恥ずかしいものである。
しかしながらフレイムがそうしたいのならば俺はいくらでも抱きかかえられていようと思う。
決して、抱きかかえられる事によりフレイムの大きく実った果実の柔らかさを、しかも三歳という年齢も相まって合法的に堪能できるからとか、一切思っていない。
フレイムの事を思って取った行動の結果、フレイムの果実が押し付けられるのは結果論であって、果実目的でフレイムに優しくしているのではないという事を分かって欲しい。
「英雄色を好むと言いますし、お坊ちゃまは将来傑物になられるかもしれませんね。 このセバス、お坊ちゃまの将来が今から楽しみでございます」
とりあえずセバスには後日賄賂、ではなくて何か日頃の感謝のお礼を送ってやろうと思うのであった。
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