風呂上がり③




ふと視線を移すと、俺の鼠径そけい部と大腿ふとももがしっとり濡れていた。里奈の膝をぐーっと曲げ、右手人差し指と中指をくっつける。そして、里奈のつややかな蜜壺に挿入した。


「んっ……あんっ……」


クチュクチュッと音が鳴る。

刺激でどんどん溢れてくる透明な愛蜜まなみつは、指に絡みついて離さない。指の第一関節、第二関節をゆっくり屈伸させ、組織をほぐす。三本に増やすと、だいぶ入り口が広がった。


「…あっくん…あん…おかしくなっちゃう……」


「大丈夫だから、安心しろ」


「…うん」


指を抜き抜くと、ベッタリと絡みついた蜜が垂れないように、素早く舐め取る。


「里奈の蜜は芳醇ほうじゅんだな」


「うう…汚いってば…それに…こんな汚いところ、あっくんに見られるの恥ずかしい…」


里奈に汚いところなんて一つもないのにな。

むしろ、綺麗すぎるんだよ。

この綺麗な身体をけがしてやりたい、どうやって汚してやろうか、俺のこの手で、身体で、体液で……

そんなことばかり考える…

考えるだけでも興奮が止まらないなぁ…

お前を早く汚してやりたいよ……

あぁ…ゾクゾクする……


「恥ずかしがってる里奈、とーっても可愛いなぁ。みんな綺麗だよ、里奈」


そして、ぷくっとした唇に唇を押し付ける。


「んん…ん…」


唇の隙間から甘い吐息が漏れる…

唇と舌を貪りながら、股関節をゆっくり広げる。

見ると、ぷっくり膨れた紅い花弁たちが咲き乱れていた。花弁からはどんどんどんどん愛蜜が溢れる。


……言葉は、いらない……


内腿を両手で広げ、舌を蜜壺に挿入する。

里奈の体液は全て愛蜜だ。

俺だけを依存させる特別な麻薬…

全て舐め尽くしたい……からびるまで…

全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部


「あっっ!!やんっ!!あんん!!…あっくん、汚いよ、おかしくなっちゃう!舐めちゃダメ!!」


「里奈に汚い部分なんてどこにもない。みんな綺麗だよ、里奈」


「…んん!あっくん!!」


俺の唾液と愛蜜がぐちゃぐちゃに混ざり合う。

俺は夢中で、唾液の混ざった新たな蜜を舌で絡めてゴクリと飲み込んでいく。クチュクチュ、クチュクチュ、愛音おとがこの狭まれた空間を支配する。


俺は花弁から顔を上げ、里奈を俺の方に横向きに寝かせた。そして浮き出った骨盤を抱きながら、俺の胸元に引き寄せる。


「俺は里奈を愛してる。例え里奈が俺から逃げたとしても地獄の底まで追いかけるから」


すると里奈が顔を上げ、ぐうっと背伸びする。俺の耳元にとろけそうな唇を持ってきた。甘い甘い音色が脳の奥まで響き渡る。


「んふふ……りなもあっくんが逃げたら、どこまでもどこまでも追いかけて見つける、そしてもう二度と逃げられないようにりなの檻に監禁するんだから。だから、ぜーったい逃げないでね?あっくん」


「あはは。里奈の檻なら喜んで入るよ。ずっと閉じ込められてもいいなぁ」


「…んもぅ…あっくん…!」


里奈はぎゅっと俺の顔を両手で掴んだ。そして俺の唇を奪い、唇と舌で口内を激しくまさぐる。口の動きがシンクロする。俺は里奈の後頭部を片手で掴み、もう片方で小さな手指を絡めた。


蜜壺に手を伸ばす。もう十分だな。

上体を起こし、ボクサーパンツに手を掛ける。

取り出した陰茎は里奈に触れた時からとっくに反り上がっていた。今は、はち切れんばかりの激痛を生じている。


「…里奈、もう挿れたい…」


「ん…嬉しっ…早くき…て…?」


女神のような微笑みを見せる。

俺を待ち望む、その潤んだ瞳、紅潮とした顔貌かお……

欲望と本能と興奮は留まることを知らない。

やっと、汚せるよ、お前をこの手で……

汚したい汚したい汚したい汚したい汚したい汚したい汚したい汚したい汚したい汚したい汚したい汚したい汚したい汚したい汚したい汚したい汚したい

汚す汚す汚す汚す汚す汚す汚す汚す汚す汚す汚す汚す汚す汚す汚す汚す汚す汚す汚す汚す汚す汚す汚す


俺は邪魔な下穿したばきを脱ぎ捨てた。

陰茎を片手で持ち上げる。もう片方で内腿うちももを掴み、ゆっくりと進入させる。蜜壺内を占めていた愛蜜が俺の圧力で外へ外へと追い出されてゆく。


「…あっん…やんっ…そんなに激しく…しないっ…で」


「っっ…!き"つい…引きちぎられる…!!」


「ん…はぁ…ん、あっん……はぁはぁ…あっくん…」


体積も質量も増したそれをメリメリと押し込める。

そしてゆるゆると抽送を開始する。押し込むたび、透明度の高い愛蜜が次々溢れる。


愛蜜が俺の陰嚢いんのう陰毛いんもうに絡みつく。

結合部が愛蜜でぐちょぐちょに塗りたくられる。

抽送は次第にスピードを増していく。

もう、無理だ…里奈の中に奥に、俺の全てを注ぐんだ…!!


「里奈っ、里奈っ、里奈っ、里奈っあーー!」


「あっくん、あっくん、あっくん、あっくん!」


そして俺は、奥の子宮に向かって精液を勢い良くぶち込んだ。果たして、どれくらいの量があったのだろうか…


俺は里奈をきつく抱き締めた。


「…やっと、一つになれたね、あっくん、幸せ…」


「そうだな…里奈の中はあったかい…幸せだ…」



それから、激しい抽送と精液放出を何度も何度も繰り返した。


「はあはあ…っん"…ハアハア…」


「はあはあ…あん…ハアハア…」


ベッドの骨組みがギシギシきしむ音、俺の荒い呼吸音と里奈の甲高い嬌声が室内に反響する。


何度しても何度しても足りない。

里奈がほしい。

もっとほしいもっとほしいもっとほしいもっとほしいもっとほしいもっとほしいもっとほしいもっとほしいもっとほしいもっとほしいもっとほしい


俺のおぞましい欲望がぐるぐると駆け巡る。


どうすればいい、どうしたらいい、どうやったらいい。

里奈が足りない里奈が足りない里奈が足りない里奈が足りない里奈が足りない里奈が足りない里奈が足りない里奈が足りない里奈が足りない里奈が足りない里奈が足りない里奈が足りない里奈が足りない里奈が足りない里奈が足りない里奈が足りない里奈が足りない里奈が足りない…………………………



いつまでこうしてただろうか。

この空間だけ時間が止まってるようだ。

この世界に存在するのは俺と里奈だけ、他には何も存在しない。

何ものも俺たちを邪魔することは許されない。

邪魔するやつは全員、俺が潰す。

それは、何であろうが関係ない…


そして、


「里奈、一緒にいこう」


「うん…!あっくんと一緒にいく」


何もかも絞り尽くした俺と里奈は同時に果てた。


身体中から汗が噴き出し、全身ベッタベタだ。

ぐったりした里奈の白い肌もさっきの激しい熱で赤く火照ほてってる。

里奈の中にとどまったまま、里奈を抱き締め、汗ばんだ身体を密着させる。


「はぁ、はぁ、はぁ……ごめん、ついやり過ぎた。すまない!!」


「んっっ、はぁ、はぁ…。んん。りなね、嬉しいよ。あっくんが、りなのこと、余裕…なくす…くらい、求めて…くれたんだもん」


俺はふと、里奈の手を掴んだ。

指と指とを絡め、ぎゅっと握る。

汗ばんだ小さな掌はどこも柔らかい。

体温が伝う…

指腹と甲の密着、指間同士の密着、手首同士の密着、それだけじゃない、

身体の密着、精神の密着……

何一つ、俺たちを隔てることは許されない……


俺は里奈の手を口元に持ってきた。

人差し指の形の整った滑らか爪に、その下の引き伸ばされた白い皮膚に唇をそっと落とす。


「あぁ、幸せだな……もう、今、死んでもいい…」


「りなも幸せ…でも、あっくんが死ぬのは嫌!あっくんが死ぬなら、りなも死ぬ!」


「あはは、ごめんごめん、そうだよな、里奈を残して逝けないよな。俺がいないのを良いことに、他のやつが里奈に触れるのは虫唾むしずが走る。まあ、そんなことはさせないけど」


里奈がほおで俺の掌をすりすりする。


「んふふ。りなもあっくん、誰にも触らせないもん。りながいなくなったら、他の女の子にあっくん取られちゃうかもしれないし…」


…そんなことあるわけないだろ?!

今度は、全身の骨が軋むほどにきつくきつく抱き締めた。


「現世も前世も来世も、どの次元だろうが俺には里奈だけだ。俺にとって里奈か里奈以外でしかない。里奈以上に愛しく思えるやつなんていない…」


「えへへ、りなも同じだよ?あっくん以上に愛したいと思った人はいないよ…あっくんしか見えないもん…」


心情はとっくに一致している。


顔中にくれないの雨を降らす。

ひたいに、こめかみに、眉毛に、まぶたに、睫毛まつげに、頬骨ほおぼねに、頬に、鼻筋はなすじに、鼻頭はながしらに、下顎したあごに、おとがいに、そして最後は唇に…


「おやすみ、里奈」


「おやすみ、あっくん」


そして寝る前にもう一度、触れるだけの口付けをした。

俺はまだ里奈の中にいる。

一生、このままがいい…

身体を密着させたまま、甘やかな眠りに就いた。




そして翌朝、里奈の腰は自分じゃ全く動かせなかった。


これはとても仕事に行ける状態じゃないよな。

本能が暴走してしまったからって、これはいくらなんでもやり過ぎだろ、俺……

また、里奈に無理させてしまった……

毎度毎度同じことばかり反省してるような気がする…


俺はひたすら謝った。里奈は笑って許してくれた。

相変わらず、里奈は優しいなぁ。

俺は仕事を休み、一日中、里奈を介抱した。


今日もまた、里奈とずっと一緒にいられる。

たまには、こんな日があってもいいよな。


里奈には、ほんと申し訳ないと思いながらも、俺はこの甘やかな日々を、また一日噛み締めるのだった……



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