時には悩み、時には立ち止まり、それでも少女は己と向き合い、また前を向く

読んで一番初めに思ったのは、
『主人公の心理描写がとても綺麗に描かれている』でした。

何かが間違っている、何かがおかしい、こんな筈ではない。そんな目に見えない葛藤とは裏腹に、上辺だけしかない見せかけの愛に溺れていく主人公。理想と現実の乖離を俯瞰して眺めている主人公の姿と自分のことなのに他人事かのように振る舞うその姿勢が、まさに自暴自棄という概念そのものを表現しているようで、とても上手だなと思いました。

文章の密度もちょうど良かったのですが、段落下げをしてないからか、少し読みづらさを感じます。何か意図してのことでないのであれば、是非お勧めします。

ともかく、素敵な作品をありがとうございました。