第7話 内務大臣・ホーマー 3

ホーマーが反乱に対して交渉して鎮圧をしようと決めそうになっていたとき、一人の男が発言をした。


「殲滅には反対ですが、交渉も難航するでしょう」情報機関の長官が発言する。「この反乱は偶発的なものではありません。スミルナという男がいっているとおり、この反乱の鎮圧後に全国で反乱を起こす用意がされています。この反乱は、交渉が決裂して失敗することを期待して実行されたのです」


「首謀者が他にいるということか。そして、それは兵士ギルドということか」


 兵士ギルドは最大規模のギルドのひとつだ。政治的な影響も大きい。戦後の兵士の扱いで、兵士ギルドの不満は高まっている。それで兵士ギルドが動いたのか……とホーマーは考えた。


「さらに黒幕がいます。エイジャックス元帥です」


 エイジャックス元帥。唯一の元帥であり、陸軍大臣も兼任している。


「それは確かなのか?」


「はい。確かな情報です」


「なるほど……エイジャックス元帥の目的は何だ。一応言ってみろ。察しはつくがな」


「全国的な反乱となれば、親衛隊の手には終えません。エイジャックス元帥の配下である軍隊による鎮圧になるでしょう。鎮圧の功績と名声を得て首相になり、その責任をとってホーマー閣下は失脚。土地と賠償金をとるために停戦条約を破棄して魔族の領地へと進軍、ふたたび戦争を始める。元帥の目的はこういうところでしょう」

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