第132話 妹に見下される

【前書き】

引き続き、足代さん視点です。

――――――――――――――

 

(終わった~!)


 委員の仕事を終え、日直日誌も書き終える。

 誰も居ない教室で一人、私はホッと一息ついた。


(そうだ、帰りにケーキ屋さんに寄っていこう。明日は山本君のケーキもお願いしてるし、その確認と……あとはケーキを買って……)


 ようやく下校できる私はそんなことを考えながら家路についた。


 ◇◇◇


「た、ただいまー」


 私は少し緊張しながら家に入った。

 居間からテレビの音がする。

 きっと、綾香ちゃんが帰って来ているんだろう。


 私には、実は一つ下の妹がいる。

 山本君には以前「居ない」って言ったけど。

 なぜそんな嘘をついたのかというと、妹の綾香ちゃんに『自分が妹だなんて学校で言わないで』と念を押されているからだ。


 私は買ってきたケーキの箱を持って居間の扉を開いた。


「た、ただいまー」


 そして、玄関で言ったのと同じ挨拶をもう一度言った。

 ここなら綾香ちゃんにも聞こえてるはず。


 でも、綾香ちゃんはテレビの前でスマホを弄ったまま一度もこっちに目を向けなかった。

 いつものことだ、私は綾香ちゃんに嫌われているから。

 綾香ちゃんは学校では凄く明るくて、私と違って人気者だ。

 だから、私みたいに地味で陰気な姉が居るとは知られたくないらしい。


 それでも仲良くなりたい私は勇気を出して尋ねる。


「ケ、ケーキ買ってきたんだけど食べない? 私、紅茶淹れるから」


「……そこに置いといて」


 綾香ちゃんから返事をもらえた私は、勇気を持ってもう一歩踏み出す。


「よ、良かったら一緒に食べない? あ、あ、無理にとは言わないけど……」


「…………」


 私の言葉に大きなため息を吐いて綾香ちゃんは振り返った。


「お姉ちゃんさぁ、まだ漫画描いてんの? やめてよ、それ。高校生にもなって、キモイよ。だから友達もできないんでしょ?」


「ご、ごめんね……でも私漫画描くの好きだから……」


「そんなんだからアンタが姉だなんて知られたくないの。いいからそこにケーキ置いて部屋に戻って漫画でも描いてなよ」


「そ、そうだね……ケーキ、置いておくから好きなのを取って食べてね」


 無理に笑顔を作って居間から退散する。


 私は兄妹モノの恋愛同人誌を沢山書いてきた。

 それは妹にしてみればとても受け入れがたいモノなのだろう。


 せめて、私がもう少しこの暗い性格を治せれば……

 家にお友達でも連れてくることができれば……

 綾香ちゃんも少しは見直してくれるかもしれないけど……


 自分の部屋に戻ると、私は鞄をおろしてベッドに疲れ切った身体を投げ出した。


――――――――――――――

【業務連絡】

頑張って明日も投稿したいと思ってます!

応援、よろしくお願いたします!


そして、新作を投稿したのでこちらも作品フォロー&☆評価をしていただけると凄く嬉しいです!

『やり込みゲーマーが異世界に転移したようです~ゲーム知識で知らぬ間に世界最強の魔法使いになっていました~』

https://kakuyomu.jp/works/16817330655366980728


投稿頑張りますので、新作も他の作品もなにとぞ応援よろしくお願いいたします!

<(_ _)>ペコッ

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