第3話 眼福なのか!? 女子寮生活!ってお話
王立リムフィリア学院。今年から新設された王立学院だ。昨年、ここリムフィリア侯爵領の領主様の公子様が王家の王女様と婚姻されたとの事で、記念の品の一つとして設立された。
俺は山小屋から七日かけて歩いてやって来た。領都はそりゃあもう吃驚するくらい栄えていた。人も多く、お祭りでもあるのかと思いきや、これが普通らしい。凄えな!
学院は全寮制で俺の部屋も用意されているらしい。入学式を明日に控え学院敷地内にある男子寮の前にも入寮する男子生徒の列が出来ていた。俺もその列に並ぶ。
周りの男子生徒が俺をジロジロと見ている。俺の服装がだいぶ浮いているからだろうな。周りの男子生徒は身嗜みを綺麗に整えた服装をしているが、俺は山小屋での普段着に腰には剣、背中には弓を背負っている。紫色の眼鏡も目立つみたいだ。
「君、此処は冒険者ギルドの列じゃないよ」
「「「アハハハハハハ」」」
金髪おかっぱ髪の男が俺に声をかけてきて、そして周りが笑っていた。確かに冒険者に見られてもおかしくないかっこだからな。
「大丈夫だ。推薦状もちゃんと有る」
「あ~、確か庶民の入学も有るんだったか。しかし君~、もう少し身なりを整えるべきだろう。そのボサボサな長髪もなんとかしたまえ。しかも何か臭くないか?」
服については少しは程度のいい服を選んだつもりだったが、散髪はすっかり忘れていた。前髪はナイフで切って対魔眼用の紫色の眼鏡の邪魔にならない程度にはしていたが、後ろ髪は腰まで伸びている。そして、金髪おかっぱ髪の男が鼻をつまんでいた。
「村を出て七日間歩いて来たからな。川で何度か水浴びはしたんだが臭うか?」
「村っておいおい、君はどんな田舎からやって来たんだよ。ワハハハハハ」
「「「アハハハハハハ」」」
どうやらこの中で田舎者は俺だけのようだった。
◆
「無い?」
「アベル君の名前は寮名簿に載っていませんね。記載漏れかしら?」
入寮手続きが俺の番になったのだが、手続きをしているお姉さんから俺の名前が無いと告げられてしまった。
お姉さんは通話機なる物で誰かと話しをしている。
「え、えーーー! へ、変更は……、は、はい……そ、そうですか……分かりました……はい、失礼します」
「どうかしたんですか?」
慌てふためいて通話機で喋っていたお姉さんの通話が終わった。苦笑いのお姉さんはこう告げたのだ。
「アベル君は女子寮に行って下さい」
「はっ?」
◆
女子寮の中は花の香りがした。既に入寮手続きが終わっている女子生徒が、廊下を歩く俺を奇異な目で見ている。そりゃあそうだ。俺だっておかしいと思う。
お姉さんの話しでは、どうやら俺は女子生徒として登録されていたようだ。齢い百歳の婆さんが記入した書類だ。間違って女性に丸を付けてしまった可能性もあるんだが……。
しかも男子寮には空き部屋が無く、外泊は禁止されているとかで、しばらく女子寮に住み込む事となってしまったった。いいのか!
言われた部屋に着き中に入る。広々とした部屋に机が二台、部屋の中央には白いソファーと綺麗な白いテーブル、机の反対側の壁には立派な二段ベッドがおかれている。部屋には小さなキッチン、トイレ、洗面台にシャワーまで有る。俺の村にはシャワーなんて無かった。凄えな!
部屋は相部屋のようだが、流石に同居人はいないだろう。俺は綺麗な部屋をキョロキョロと物色した。
「これがシャワーか」
初めて見るシャワーに感動して俺は衣服を脱いだ。金髪おかっぱ髪の男が言っていたように俺は臭いかもしれない。
寮で暮らす為の部屋着や下着も支給されたので、着替えついでにシャワーを使ってみる事にした。
「おぉぉぉ! お湯が出るぞ! 凄えッ!」
花の香りがする石鹸で全身を綺麗に洗う。白い泡がモコモコ泡立つ。楽しい! めっちゃめちゃ気持ち良い!
俺が頭からシャワーを浴びて快感に浸っていると「失礼しま~す」と女の子の声が聞こえた。
「シャワー浴びているんですかぁ。私も次にお借りしますぅ」
誰だろうかと腰にタオルを巻いて迂闊にもシャワー室から俺は出てしまった。
目の前にはピンク色の綺麗な長い髪の毛に、二重瞼の大きな瞳、小さな鼻に小さな口の小顔の美少女が……一糸纏わぬ姿、って言うか俺の【透視】ギフト垂れ流しの中、無防備にキョトンとした顔で俺を見ていた……。
山籠もり三年! 美少女の裸! しかもノーガード! 無理だッ!
俺は大量に鼻血を放出する!
「きゃあああああああああああああああ!」
響き渡る美少女の叫び声!
血の海とかすダイニング!
駆け付ける多くの女子生徒達!
俺的には美少女裸族軍団!
「め……眼鏡……」
俺は眼鏡を手に取る事無く、美少女裸族軍団に
「ぐハアアああああああ」
婆さん達のおっぴろげとは違う、純情でピンクな見ちゃいけないものが沢山見える。鼻血大大大放出でドッパドッパだぜッ!
◆◆◆◆◆
【作者より】
アベルくんの学院生活が始まりました。
今後のアベルくんの活躍に期待頂けましたらレビューページから☆を★にお願いします(^^)
★1でもめっちゃ嬉しいので宜しくお願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます