第三章 対帝国戦線

プロローグ

「時は満ちた」


 張り詰めた空気が漂っている謁見の間に皇帝の声が響く。


「動かすのは歩兵七万、弓兵一万、騎兵二万、魔法兵五千…それから奇獣兵二千」


 奇獣兵という言葉が発せられた瞬間謁見の間に僅かな驚きが走った。


「総司令は皇太子ルドゲイン…歩兵弓兵騎兵はいつも通り…魔法兵指揮はテューク」


 皇太子ルドゲインは父譲りの冷淡な顔のまま佇み、顔に大きな火傷があるティークは目を見開く。


「ティーク、前回失態を犯したお前を処刑しなかったのは今回のためだ」


 皇帝はそんなティークを機械のような目で見ながら言う。


「…『紅炎』のフィオナだったか…今度こそやつを殺せ」


「仰せのままに…!」


 跪くティークを一瞥した後、皇帝は玉座に座りながら謁見の間に視線を映した。


「ではこれよりアルカデア王国への侵攻を開始する。各自用意せよ」

 

 

 衝突は近い。




―――――――――――


第三章が始まりました。


遂に帝国との戦争です。

シオン達がどのように関わっていくのか、ぜひ見ていってください。

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